本日のお題 【高齢者・子どもの熱中症リスクと予防法】 |
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エコ次郎先生、こんにちは。今年も遂に梅雨入りしましたねー。梅雨入りが遅くなるって言う予報だったから、あの毎日雨が降り続く憂鬱な6月じゃなくて良かった!って最初は嬉しかったけど、こんなに暑い6月になるなんて思っていなかったから結構体がキツかったです。エコ次郎先生はどうでした?
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エコ娘くん、こんにちは。私も今年の6月の暑さには参りました。余りに暑くて、出先でソフトクリームや冷たいスムージーなどデザート系を食べたいと思ったのですが、やはり周りの目を気にしてしまってアイスコーヒーを頼んで後悔したことが何度かありました。季節外れの暑さと、周囲の目を気にする自分にため息をつく6月でしたね。。
その悔しさはさて置き、梅雨は気怠いですよね、私も苦手です。でも、梅雨のジメッと感よりも厳しいのが梅雨明けの殺人的な暑さです。去年は「年間猛暑日」や「真夏日」の最多記録を各地で更新するほど暑さに悩まされる夏でしたが、残念ながら今年も同じような夏になるようです。梅雨の不安定な天候は「気象病」を引き起こすので、精神的に肉体的にツライ方が多いですが、異常気象の暑さは全ての人の命に直結しますので、今年もしっかり対策したいですね。
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もう既に近所のおばあちゃんが熱中症で倒れたらしくて、ご近所さんが噂していたんですよねー。ご本人は全然自覚が無かったのに急に倒れたみたいで、周りは大パニック!!そりゃ人が目の前で急に倒れたら怖いですもんね(>_<)
そう言えば、お年寄りは熱中症に罹りやすいって聞くけど、若年者と比べて何で危険度が高いんですか?しかも気付かないうちに罹って倒れるとか、ほんと怖いです...。
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日本は超高齢社会ですので、何故高齢者は熱中症のリスクが高いのか?をみんなが理解しておくと、第一に当事者が自分で気を付けられますし、周りも予防の声掛けがし易くなりますし、それによって助かる場合もたくさんあるかと思いますので、まずはそこを見て行きましょう。
まず、正常な暑さの感じ方です。人間が暑さに晒され、皮膚に存在する温度センサーが暑さを感知すると、その情報は脳の視床下部にある体温調節中枢に伝えられます。その情報に深部からの温度情報も加えて体温調節中枢が「暑い」と判断すると、皮膚血管や汗腺に命令を出し、皮膚血流量や発汗量を増やします。これを「自律性体温調節」と言います。更に、冷房の利用や衣服の調節等といった「行動性体温調節」も作動し、暑さを和らげようとします。エコ娘くんも暑いと感じたら薄着になったり、冷たいものを食べたり飲んだり、涼しい場所に移動したりしますよね?
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もちろんですよぉー!だって暑いの我慢できないもん!良く「そんなに暑いかしら??」って言いながら炎天下でおしゃべりしているおばあちゃん達が居るんですけど、お年寄りの我慢がうちらとはレベチで本当にスゴっ!!!って思います。
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あれは「我慢」ではなくて本当に暑くないそうですよ。老化に伴い皮膚の温度センサーの感度が鈍くなるので、
●「暑い」と感じにくくなる
●行動性体温調節が鈍る
●発汗量・皮膚血流量の増加が遅れる
●発汗量・皮膚血流量が減少する
●喉の渇きを感じにくくなる
このような状態になり易く、結果として「気付かないうちに熱中症」となる可能性が高まるのです。暑いと感じなければエアコンも使いませんし、着るものにも気を付けませんからね。
ここで質問ですが、高齢者が熱中症になる場所はどこが一番多いと思いますか?
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えっとぉ、この流れで考えると「家の中」な気がするんですけど、でもさすがに外で洗濯物を干している時とか、庭の草むしり中とか、直射日光の当たっている外だと思いたい!
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残念!正解は家の中です。熱中症になる場所の中で実に4割が家の中。つまり、体感だけに頼ると室内の温度や湿度の変化に気付けないと言う事実が、この結果からも分かります。「電気代がもったいないから」と仰る方も中にはいらっしゃいますが、暑さを感じなければわざわざわエアコンを使うのは「もったいない」と考えるのも不思議ではないので、高齢者が室内で熱中症で倒れていた時に「エアコンを使用していませんでした」と報道されるのにも納得が行きますよね。
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なるほど、そういう事だったのか!昨今の暑さは我慢できるレベルじゃないって感じていたから、昭和を生き抜いて来た人はすごいんだなって思っていたけど、やっと納得できました!
でも先生、暑さを感じないならどうやって対処すれば良いんですか?
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まずはご高齢者の方々には熱中症になり易い体なんだと言う事をご理解頂いた上で、部屋に温湿度計を設置して目で危険度を認識して頂きましょう。室温が何度以上は冷房を、湿度が何%以上は除湿を、とエアコンの使用条件を決める事で、安全な環境作りが期待できます。
あとは良く耳にしますが、こまめな水分・塩分補給ですね。高齢者は脳での察知能力が低下するために、脱水が進んでも喉の渇きが起こりにくくなっているだけでなく、若年者より体液量と血液量が少ないので、若年者と同程度に発汗した場合、脱水状態に陥りやすく回復しにくいです。ですので、喉が渇いていなくても時間を決めて水分・塩分補給をすることが大変重要です。
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そうなんだぁ。自分で気を付けることができる人なら良いけど、もし近所とか知り合いの高齢者にちょっとでも熱中症対策が怪しい人とか、暑さを感じていないような装いの人がいたら、優しく声掛けをしてあげたいな。
あ、そうそう、ママの友達のお母さんなんですけど、認知症が酷過ぎてエアコンを点けてもコンセントプラグから抜いちゃうんですって!!朝家族がエアコンを点けてリモコンを隠して出掛けるんだけど、昼間ヘルパーさんが来ると既にプラグが抜かれていて、閉め切った部屋の中がサウナ状態になっているらしいです。そういう場合ってどうしたら良いんですかねぇ?さすがに窓を開けずにエアコンも切っていたらいつ倒れてもおかしくないし、ご家族も困ってるみたいで。何か良いアイディア無いですか?
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それはご家族は困りますねぇ。エアコンが使えないのであれば、あえて窓を開けて「よしず」や「 簾(すだれ)」を使うことをお勧めします。「よしず」は葦で出来ていて、軒先やベランダに立て掛けて使います。きっと海の家や露天温泉などで一度は見掛けた事があるかと思います。一方「簾」は竹で出来ていて、軒先や窓に吊るして使います。形態は違いますが、どちらも日差しを避け、風を通すことが出来る日本が誇る元祖暑さ対策アイテムですので、これなら認知症のおばあさんにも馴染みがありますから安心して使って頂けるのではないでしょうか?
ちなみに、使用する際に水をかけることによって室内に入る風を2℃程度下げることができるので、こちらも是非試して頂きたいのと、よしず・簾とエアコンを一緒に使用する事でエアコンの設定温度を上げる事が出来るので、電気代の節約にもなります。エアコンを使用したいけれど電気代が気になるという方には、W使用をお勧めしたいです。
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よしずかぁ!あれって目隠しにもなるし、見た目も涼しげで良いですよね~。うちは簾を使っていた事があるんですけど、窓に直射日光が当たらないだけでこんなに違うんだ!?って家族みんなで驚きました!今はグリーンカーテンに変えたので、毎年夏は日除けとゴーヤの収穫の一石二鳥です♪
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おぉ~、それは良いですね!
高齢者が熱中症のリスクが高い理由はお分かり頂けたと思いますので、子どもについても触れておきたいと思います。
子ども(特に思春期前の子ども)は汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していない為に、高齢者と同様に熱中症のリスクが高くなります。更に、体重当たりの体表面積が大人より大きく、高温時や炎天下では深部体温が上がり易いので、定期的に冷たい飲み物等を摂取して深部体温を下げて、体に熱が篭らないようにしましょう。
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そういう事かぁ。理由は違えど、体温調節が苦手っていう点は子どもも高齢者も一緒なんですね!
先生、誰にでもお勧めできる手軽な熱中症予防グッズってありますか?よしずとか簾とか、温湿度計とか、環境面で使えるものは分かったので、体に使えるものも知れたら嬉しいです!
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かしこまりました。では次の項目でそれについてご案内したいと思います。
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よろしくお願いしまっす!
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