本日のお題 【生成AI】 |
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エコ次郎先生、こんにちは!この前すっっごくビックリしたことがあるんで聞いて下さい!!
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エコ娘くん、こんにちは。おやおや、どうしましたか?
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この前TVを見ていたらとてもキレイな女性がモデルになっているポスターが出て来たんです。こんがり焼けた肌が夏先取り!みたいな感じで健康的な印象で、「こういうキレイな人ってどこで見つけて来るんだろう?東京はすごいなー!」って思っていたら、実はその女性は生成AIが作り出したもので実際には存在しないって種明かしをされて、もう本当にびっくりしちゃいました!だって肌の質感とか、毛穴の感じとか、産毛とか、アップにされてもどこをどう見ても人間なんですよ!?そのポスターのクリエイターさんは本物のモデルを使わなかった理由を「モデルになった女性がストーカー被害に遭わない為。例え勝手に好きになっちゃった人がいても生成物がモデルなら被害に遭う心配が無いから」って説明していて、「なるほどねー!」ってすごく納得したんですけど、そもそも人間かニセモノか見分けがつかないで好きになっちゃう人が出て来る事自体が信じられないですよね(笑)
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分かります、私も初めて生成AIが作り出したフェイクの人間を見た時は大変驚きました。あれは見分けが付かないですよね。たまにフェイク動画でトランプ大統領やプーチン大統領など有名な方のものを目にしますが、知っている人だから「何かちょっと違うような?」と思いますが、全く知らない顔だったら何の疑いもなく実在する人だと思いますよね。それがとてもお綺麗な方であれば、本気で好意を抱く人が出て来る事は何ら不思議ではないです。言い方はおかしいですが、人間の目をそこまで騙せるまでに磨き上げられた技術が本当に本当に凄いのです。
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私JKだけど、これからの時代に付いて行かれるかめっちゃ心配です(笑)
そうだ、先生に教えて頂きたかったんですけど、最近「生成AI」ってすごく良く聞くけど、ちょっと前までは「AI」が主流だったじゃないですか。いつしか「生成AI」の方が頻度が高くなっちゃって。その2つって同じじゃないんですか?急激に色々出て来て、正直言うと何が何だか良く分かってないです!
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分かります。私も時代の変化と言いますか、進化が目まぐるしくて理解するのがやっとな感じです。
先ず「生成AI」と「AI」の違いですが、一言で表現すると「オリジナルコンテンツ創造の可否」にあります。
AIは“学習済みのデータの中から適切な回答を探して提示する”性質を持っているのに対して、生成AIは“0から1を生み出す”性質が特徴です。既に学習したデータを参考に予測した答えを返すのではなく、AI自身が自ら学習し続けて、人間が与えていない情報やデータさえもインプットして新たなアウトプットを人間に返すことが出来ます。つまり、今まで人間にしか出来なかった“0から1を生み出す”作業が、生成AIにも担ってもらえるようになったという事です。
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へぇぇ!凄すぎる!!人間みたいに生み出す事が出来るなんて、信じられないです。どうしてそんな高度な事が出来るようになったんですか??
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やはりそこが気になりますよね。
AIが行なっていた機械学習では「教師あり学習」と呼ばれる手法が主に使われていまして、人間がAIに対して明確な回答を予め提示し、AIはその回答を記憶・知織化することで「予測」が出来るようになっていました。しかし、生成AIが行う機械学習の手法は「ディープラーニング(深層学習)」という、人の手を介さずコンピュータ等の機器やシステムが大量のデータを自ら学習して、データ内から特徴を見つけ出す技術方法なのです。これによってアイディアの創出、即ち「生成」が出来るのです。
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自ら学習して生成って、もうそれは人間と同じじゃないですか!下手すれば人間の方が負けちゃいそう。だって人間には得意不得意があるし、気分が乗らない日とか具合が悪い日とかがあって毎日コンスタントに学習し続けるのは絶対にムリだもん!何か、いつか人間の方が生成AIに支配されちゃいそうで怖さも感じる...
でもでも、人間以外が新しいものを作り出せるって本当に凄いですね!私が見たあのポスターの女性もそうやって誕生したんですね。
先生、絵とかイラストとかの他にはどういうものが生成AIの範囲なんですか?
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他にはテキスト(文章)、音声、音楽、動画などが主流ですね。
テキスト生成AIは、フォームに入力した「プロンプト」と呼ばれる文章を送信すると、自動的にテキストが生成されます。メールの文案、論文、ポエム、歌詞などあらゆるテキストが作れちゃうんですよ。OpenAIが開発した「ChatGPT」が良く知られていますね。
音声生成AIは、音声入力やテキスト入力によって新たな音声を生成してくれます。ある1人の声を大量に学習させると、その人の声質と全く同じ声で様々な文章を自由に話す音声を生成することが出来るので、例えば今後病気で声を失ってしまう可能性のある方の声を予め収録しておく事で、将来話せなくなってしまってもスマホやPCから簡単な文字入力で本人そっくりの声で会話をすることが出来るのです。実際にYellstonが開発した「CoeFont CLOUD」で既に実現しています。
動画生成AIは、テキストで指示したイメージに近い動画を作成してくれます。現時点では数秒ほどの短い動画を生成することができる程度ですが、これからもっと技術が進めば長尺の動画も生成できるようになると考えられています。そのうち生成AIが作ったCMが当たり前になる日が来るかもしれませんね。
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生成AI、恐るべし。でも、声を失っても会話が出来るって素敵ですね!
でーもーー、こんなに何でも出来ちゃったら、人間を使う価値って下がらないんですか?テキスト生成AIにシナリオを書いて貰って、音声生成AIにセリフを読んで貰って、動画生成AIにアニメーションを作って貰ったら、人間を使わなくてもアニメ映画が作れちゃうじゃないですか。今はまだそんな長い動画は作れなくても、将来可能性はありますよね。小説だったらもっと簡単に生成AIに取って代わられちゃいそう。
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そうですね。まさにその問題が今が議論されていましてね。今までクリエイティブな分野は人間にしか出来ないという前提でした。ところが生成AIの登場によって、人間にしか成し得なかった「創造」の分野が生成AIに取って代わられてしまう脅威に晒されています。それと共に、「自らが生み出した著作物等がAI開発・学習に無断で利用される」、「自らが時間をかけて創作した著作物等が、生成AIにより学習された結果、侵害物が大量に生成され得る事」など、著作権侵害の問題も懸念されています。また、AI生成物が著作物として扱われ大量に出回ることで、新規の創作の幅が狭くなり創作活動の委縮につながる事や、AI生成物が安価でスピーディーに生産される事で、クリエイターの創作活動への経済的な不利益が生じる事も危惧されています。もう既に大規模な著作権侵害訴訟が起こされた事実もありますので、今後著作権法や知的財産権法に関して各国で議論が繰り広げられることは間違い無いでしょう。
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時代が進むって難しいですね。人間が作り出したものに人間が排除される感じがして、ちょっと複雑だな....。でも、業務の効率化とか、合理的な生産性とか、クリエイティブみたいな“人間だからこそ”以外の部分では活躍して欲しいですね!
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なかなか深いご意見ですね。私も、感情のある人間だからこそ作り出せる作品には絶対的な価値があると思っていますので、そう言った方々が安心して創作し続けられる世界であり続けてくれることを願っています。
生成AIを使う上で他にも問題点と言いますか、注意すべき点があります。それは「情報漏洩」の危険性です。生成AIで情報漏洩が起きる要因の1つとして、インターネット上でのデータ保管があります。生成AIはクラウドサービスの為、ユーザーが入力したデータはインターネット上のデータベースに保管されます。もしセキュリティ対策が強化されていない生成AIを利用すると、不正アクセスなどのリスクに晒されてしまう恐れがあります。入力情報が外部に漏れ、個人のプライバシー侵害や企業秘密の流出など、重大な問題を引き起こす恐れもあるので、生成AIを利用する時は個人情報や機密情報を入力しないように、運用を徹底することが重要です。
もう一つ気を付けて頂きたいのが「フェイク情報」です。生成AIが作成したフェイク画像や動画は、あたかも本当であるかのように受け手に伝わり、SNSやインターネットで瞬く間に拡散され、結果大騒動に発展した例も多くあります。「日本上空にUFOが!」とか「神田川にカッパが!」と言った笑って許せるオカルトなら大した影響はありませんが、命や生活に関わる自然災害や、国を動かすような緊急性のある内容ですと拡散もより一層早いですので、すぐに信じてしまうのではなく、一度冷静になって疑いの目を持つ事が大切です。「自分は騙されない」と思っていても知らぬ間に騙されてしまうのがフェイクですので、「これはフェイクではないのか?」と、疑いながら情報に接して行く事を心掛けたいですね。
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驚く度合いが高ければ高い程騙されやすくなっちゃうし、この驚き〇〇ちゃんにもすぐに伝えたい!なんて思って秒で転送しちゃうと、結局はまんまとフェイクニュースの拡散に役立つことになっちゃいますもんね。私も気を付けたいです。
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よろしくお願いいたします。
さあ、これでAIと生成AIの違いはザッとお分り頂けたかと思うので、次の項目では「ChatGPT」を始め、代表的な生成AIを活用したサービス例をご紹介したいと思います。
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あ、それも知りたかった!ぜひよろしくお願いします♪
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