本日のお題 【物流の2024年問題】 |
|
エコ次郎先生、こんにちは。ついこの間年が明けたと思ったら、もう2ヶ月も過ぎちゃいますね!時が経つのは早いなぁ。
|
|
そうですね。今年の冬は異様に暖かくなったり、急に真冬になったりと忙しかったので、天候ばかり気にしているうちに2ヶ月が過ぎてしまった感じですね。2024年と言えばあの問題が差し迫っているので、呑気に暑いだの寒いだの言っている場合ではありませんでした!
|
|
あの問題??何の問題ですか? 2024年と言えば世界中が楽しみにしているパリ五輪ですけど、それ関係で何かありましたっけ?
|
|
あぁ!そうでしたね、オリンピックの開催もありましたね!それは私もとても楽しみにしています。最近は新競技のブレイキンに興味が湧いて来まして...いや!今はその話しではなくてですね、『物流の2024年問題』が差し迫っているんです!
トラックドライバーなどの職種では、慢性的な人手不足やEC市場の急成長に伴う物流量の増加に伴って長時間労働が深刻化しているのです。既に2019年4月から(中小企業では2020年4月から)労働者の時間外労働に関する規制が強化されていますが、例外的に物流・運送・建設・医療業界などに対する適用には5年間の猶予期間が設けられていました。その猶予期間が終了するのが今年の3月末、つまり今から1ヶ月後なのです。
|
|
そう言えば、TVでそんな特集を見たことがあります!詳しくは知らないけど、仕事の拘束時間が短くなったり、休息期間が今より長くなったりもするんですよね?私のイメージですけど、トラックドライバーって結構過酷なお仕事だと思うので、これからは無理なく働けるようになったら良いですね!
|
|
そうですね。その通りなのですが・・・、規制が掛かることは良いことばかりでは無くてですね、ドライバーにも、ドライバーを雇用する物流・運送業者にも、私たち消費者にも影響が出て来るので『物流の2024年問題』と言われているのです。
まず、物流・運送業者の立場から見ていきましょう。ドライバーの労働時間が制限されることにより、運べる荷物量が減る可能性があります。また、十分な休息時間を設ける必要があるため、荷物量に対して人員を確保できなくなり、引き受けられない荷物が増えてしまいます。そうなると売り上げが落ちるのは必至です。
また、自動車運転の業務における時間外労働の上限規制で、特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が960時間という基準になるのですが、960時間÷12ヶ月=月80時間まではOK!とは行かないのです。理由は、2023年4月以降、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%(以前は25%)に引き上げられているからです。
|
|
そうなのか...。拘束できる時間が減るだけでもドライバーを雇うには不利になるのに、残業代も今まで以上に上乗せしなくちゃならなくなると、人件費がかなりネックになりますよねぇ。。かと言って、残業代をカットする為に請け負う荷物を減らすと会社の収益も下がっちゃうし、逆に今までと同じ量を維持しようとすると人員を増やさなくちゃならないから、教育コストも社会保険料も必要になるし、どうしたら良いんでしょうね?難しい問題だなぁ。。
|
|
八方塞がりですよね。
ドライバーの立場から見ても問題はありまして、残業時間が規制されればその分ドライバーが受け取れる残業代も少なくなります。また、拘束時間のカウントの仕方にも変更があり、現行法では「非運転時間を確保すること」とされているので、運転の中断時に荷積みや荷卸しの作業を行うことも認められているのです。しかし4月の改正によって「休憩でなければ運転の中断とみなされなくなる」ので、荷積みや荷卸しの時間は拘束時間内に捻出せねばなりません。そうなると当然走行距離はますます短くなりますし、請け負う荷物の量も減らさなくてはならないので、特に長距離ドライバーに多い歩合制の場合は収入源は避けられず、場合によっては他職種へ転職せざるを得ない方も出て来るでしょう。
|
|
ドライバーの仕事が好きなのに転職を余儀無くされるとしたら、それは本当にかわいそうです( ; _ ; ) 会社にとっても損失ですよね。
|
|
会社だけではなく、私たち一般消費者にとっても損失です。物流が滞れば、一般消費者が今まで当たり前に届けて頂いていた荷物がもっと日数が掛かるようになってしまったり、時間指定サービスも受けられなくなったり、大幅な送料の値上げにも直面するかも知れません。翌日配達や送料無料サービスの存続はかなり厳しくなるでしょう。
お店に並んでいる商品だって、例えば食料品の場合は配送に時間が掛かって鮮度が落ちたり、製造場所が遠い商品は在庫切れが長引いたり、輸送コスト削減でそもそもその商品を取り扱わなくなってしまったりするかも知れません。本当にこの問題は他人事ではないのです。
|
|
そうなんだ...。今まで何も考えないでネットショッピングを利用しちゃってたし、送料無料はあたり前、翌日配達もあたり前って勝手に思い込んじゃっていました。もちろんお店に並んでいる肉や魚も鮮度が良くてあたり前で、誰かが過酷な労働条件で運んでくれているだなんて真剣に考えた事も無かったです。。でも、ドライバーさんの存在があって初めて物流って成立するんだって気付きました。
|
|
エコ娘くんは本当に優しくて、常に自分以外の立場に立って物事が考えられて、とても立派です。世の中の誰もがその優しさを持って日頃から一緒に考えて行かれたら、こうやって色々と規制される事の無い、皆が働きやすく生活しやすい世の中にもしかしたら少しずつ変わって行かれるかも知れませんね。
法改正はどうやっても止める事は出来ませんが、それによって起こりうる問題に関して荷主企業・運送業者・一般消費者、それぞれの立場から対策する方法はありますので、次の項目ではそれらについてご紹介したいと思います。
|
|
え、一般消費者っていう事は私にもできる事があるんですか?!うわ~ちょっと罪悪感を感じていたから嬉しいです!ぜひ教えて下さい!よろしくお願いします♪
|
|
はい、分かりました。こちらこそよろしくお願いいたします(^^)
|