東雲研修センター ニュースレター No.57
いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

皆様は『物流の2024年問題』についてご存知でしょうか?これは、働き方改革関連法により、2024年4月1日以降自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称です。これまでトラックドライバーの労働環境は、長時間労働の慢性化という課題を抱えていました。2024年の法施行では、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限を設定することで、トラックドライバーの労働環境が向上するように思えます。しかし、走行距離や運んだ荷物の量に応じて手当が支給されるトラックドライバー(特に長距離ドライバー)は、収入の減少は避けられません。そして一般消費者にも、翌日配送や時間指定が難しくなる可能性が出て来たり、配送料が上がる等の問題が生じるでしょう。

私たちの生活を支えている物流。これを滞らせない為にも、そしてドライバーの健康を確保する為にも、今すべての人がこの問題を知り、一般消費者でもできる対策に乗り出す時です。今回はこの問題について、様々な立場から学んでいきたいと思います。

橋本総業株式会社
東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【物流の2024年問題】
【3】物流の2024年問題を解決するためには
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
販売店経営者様、幹部様

来期の研修スケジュールが確定しました。
下記から東雲研修センターホームページ/研修スケジュールをご覧いただき、社員様の教育計画立案にお役立て頂ければ幸いです。
事務を中心とした女性社員も多く参加しています。配管、便器、シスバス、キッチン等の住設機器の体験研修を受講すると、肌感覚で苦手意識がなくなり、お客様との対応も向上します。


2024年9月までの研修スケジュール・お申し込みは こちらから




【現在受講生募集中の直近4ヶ月の研修一覧】
3月19日(火)キッチン現調・施工研修10:00~16:006,000円15名
4月9日(火)システムバス現調研修10:00~15:008,000円15名
5月9日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
5月17日(金)ガス可とう管資格研修10:00~17:0017,000円30名
5月21日(木)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名
6月11日(火)配管接続研修10:00~14:008,000円15名

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【物流の2024年問題】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。ついこの間年が明けたと思ったら、もう2ヶ月も過ぎちゃいますね!時が経つのは早いなぁ。
エコ次郎 そうですね。今年の冬は異様に暖かくなったり、急に真冬になったりと忙しかったので、天候ばかり気にしているうちに2ヶ月が過ぎてしまった感じですね。2024年と言えばあの問題が差し迫っているので、呑気に暑いだの寒いだの言っている場合ではありませんでした!
エコ娘 あの問題??何の問題ですか? 2024年と言えば世界中が楽しみにしているパリ五輪ですけど、それ関係で何かありましたっけ?
エコ次郎 あぁ!そうでしたね、オリンピックの開催もありましたね!それは私もとても楽しみにしています。最近は新競技のブレイキンに興味が湧いて来まして...いや!今はその話しではなくてですね、『物流の2024年問題が差し迫っているんです!
トラックドライバーなどの職種では、慢性的な人手不足やEC市場の急成長に伴う物流量の増加に伴って長時間労働が深刻化しているのです。既に2019年4月から(中小企業では2020年4月から)労働者の時間外労働に関する規制が強化されていますが、例外的に物流・運送・建設・医療業界などに対する適用には5年間の猶予期間が設けられていました。その猶予期間が終了するのが今年の3月末、つまり今から1ヶ月後なのです。
エコ娘 そう言えば、TVでそんな特集を見たことがあります!詳しくは知らないけど、仕事の拘束時間が短くなったり、休息期間が今より長くなったりもするんですよね?私のイメージですけど、トラックドライバーって結構過酷なお仕事だと思うので、これからは無理なく働けるようになったら良いですね!
エコ次郎 そうですね。その通りなのですが・・・、規制が掛かることは良いことばかりでは無くてですね、ドライバーにも、ドライバーを雇用する物流・運送業者にも、私たち消費者にも影響が出て来るので『物流の2024年問題』言われているのです。
まず、物流・運送業者の立場から見ていきましょう。ドライバーの労働時間が制限されることにより、運べる荷物量が減可能性があります。また、十分な休息時間を設ける必要があるため、荷物量に対して人員を確保できなくなり、引き受けられない荷物が増えてしまいます。そうなると売り上げが落ちるのは必至です。
また、自動車運転の業務における時間外労働の上限規制で、特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が960時間という基準になるのですが、960時間÷12ヶ月=月80時間まではOK!とは行かないのです。理由は、2023年4月以降、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%(以前は25%)に引き上げられているからです。
エコ娘 そうなのか...。拘束できる時間が減るだけでもドライバーを雇うには不利になるのに、残業代も今まで以上に上乗せしなくちゃならなくなると、人件費がかなりネックになりますよねぇ。。かと言って、残業代をカットする為に請け負う荷物を減らすと会社の収益も下がっちゃうし、逆に今までと同じ量を維持しようとすると人員を増やさなくちゃならないから、教育コストも社会保険料も必要になるし、どうしたら良いんでしょうね?難しい問題だなぁ。。
エコ次郎 八方塞がりですよね。
ドライバーの立場から見ても問題はありまして、残業時間が規制されればその分ドライバーが受け取れる残業代も少なくなります。また、拘束時間のカウントの仕方にも変更があり、現行法では「非運転時間を確保すること」とされているので、運転の中断時に荷積みや荷卸しの作業を行うことも認められているのです。しかし4月の改正によって「休憩でなければ運転の中断とみなされなくなる」ので、荷積みや荷卸しの時間は拘束時間内に捻出せねばなりません。そうなると当然走行距離はますます短くなりますし、請け負う荷物の量も減らさなくてはならないので、特に長距離ドライバーに多い歩合制の場合は収入源は避けられず、場合によっては他職種へ転職せざるを得ない方も出て来るでしょう
エコ娘 ドライバーの仕事が好きなのに転職を余儀無くされるとしたら、それは本当にかわいそうです( ; _ ; ) 会社にとっても損失ですよね。
エコ次郎 会社だけではなく、私たち一般消費者にとっても損失です。物流が滞れば、一般消費者が今まで当たり前に届けて頂いていた荷物がもっと日数が掛かるようになってしまったり、時間指定サービスも受けられなくなったり、大幅な送料の値上げにも直面するかも知れません。翌日配達や送料無料サービスの存続はかなり厳しくなるでしょう。
お店に並んでいる商品だって、例えば食料品の場合は配送に時間が掛かって鮮度が落ちたり、製造場所が遠い商品は在庫切れが長引いたり、輸送コスト削減でそもそもその商品を取り扱わなくなってしまったりするかも知れません。本当にこの問題は他人事ではないのです。
エコ娘 そうなんだ...。今まで何も考えないでネットショッピングを利用しちゃってたし、送料無料はあたり前、翌日配達もあたり前って勝手に思い込んじゃっていました。もちろんお店に並んでいる肉や魚も鮮度が良くてあたり前で、誰かが過酷な労働条件で運んでくれているだなんて真剣に考えた事も無かったです。。でも、ドライバーさんの存在があって初めて物流って成立するんだって気付きました。
エコ次郎 エコ娘くんは本当に優しくて、常に自分以外の立場に立って物事が考えられて、とても立派です。世の中の誰もがその優しさを持って日頃から一緒に考えて行かれたら、こうやって色々と規制される事の無い、皆が働きやすく生活しやすい世の中にもしかしたら少しずつ変わって行かれるかも知れませんね。
法改正はどうやっても止める事は出来ませんが、それによって起こりうる問題に関して荷主企業・運送業者・一般消費者、それぞれの立場から対策する方法はありますので、次の項目ではそれらについてご紹介したいと思います。
エコ娘 え、一般消費者っていう事は私にもできる事があるんですか?!うわ~ちょっと罪悪感を感じていたから嬉しいです!ぜひ教えて下さい!よろしくお願いします♪
エコ次郎 はい、分かりました。こちらこそよろしくお願いいたします(^^)

【3】物流の2024年問題を解決するためには

この問題を解決するためには、運送業者を始めとする関係者の努力だけでは限界があります。2024年問題で懸念される課題を解決し、社会経済活動に必要不可欠な物流を維持していくためには、荷主企業も運送業者も一般消費者も一体となって考え、取り組んで行くことが重要です。


荷主企業ができる対策
2024年問題により不足する労働力を補うためには、物流現場の取引環境や労働時間の改善が必要です。不特定多数の荷主企業の貨物を全国規模のネットワークで輸送する特積み輸送を行なっているドライバーの場合、荷待ち時間は平均で1時間18分、1日の拘束時間全体の1割以上を占めています。また、1運行あたり2時間以上の荷待ち時間が発生しているドライバーは3割にのぼっています。附帯作業も本来は料金が発生する作業なのですが、およそ67%が附帯作業料金を収受できていません。それでいて4月以降はドライバーの拘束時間も減少しますので、

荷待ち時間の短縮
附帯作業の軽減

への対応が急務となります。
これらの問題の解決については荷主企業の皆様の御理解・御協力が不可欠です。


運送業者ができる対策
運送業者の方々の取組も2024年問題の解決に向けて非常に重要なことです。
代表的な取組として、以下のようなものがあります。

中継輸送
通常の運送の場合、一人の運転者が一つの行程を担当しますが、中継輸送の場合は一つの行程を複数人で分担し運送します。

共同輸配送
同じ納品先を持つ物流事業者同士が荷物を持ち寄り、連携して配送業務を行う取組です。これによりトラックの積載効率が高まり、コスト削減を図ることが可能です。

モーダルシフト
トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することを言います。環境負荷の低減のみならず、ドライバー不足の解消や、2024年問題によりこれまで通りの運送が困難となる長距離輸送についても対応できるなど、物流効率化等の様々な面から効果が期待されています。


一般消費者ができる対策
2024年問題が目前に迫る中、EC市場の拡大もあり宅配便の取扱個数は増加傾向にあります。 配達員が荷物を持ち帰る「再配達」により、1人が配達できる個数が減り、荷物が届かなくなるかもしれません。定期的に実施しているサンプル調査の令和5年10月期調査結果では、宅配便の個数のうち約11.1%が再配達となっています。

時間帯指定 の活用
コンビニ受取や宅配ロッカー、置き配 など、多様な受取方法の活用
まとめ買い で配送回数を減らす
お急ぎ便 は必要時のみ利用
送り状の住所は正しく記載

宅配便をご利用の皆様もこれらのサービスを積極的に活用して、再配達削減に向けた取組へ協力しましょう。


【4】編集後記 ~エコ次郎の小ネタ横町~

皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。もう間も無く春になる事は間違い無いのですが、それでもやはり2月はまだまだ冷えますね。

この冬は初の床暖房生活でした(今もです)。一番温度の低い「おでかけモード」でも、あるのと無いのとでは床の温度も部屋の温度も全然違って快適に過ごせます。が、1つだけ暖かい故のお困りごとがありました。今まで冬に見かけたことの無かったゴキさんが、ある日床暖房の上で寝っ転がっていたのです。たまたまその場所で瀕死になって仰向けになってしまったのかと思ったのですが、しっかり逃げたので、暖かさが気持ち良くて寝転がってしまったのだと思いました。

見つけた時の撃退スプレーはもちろん完備していますが、そもそも家に入れさせない方法は無いのか?できたらエコな手法で取り入れたいと思い調べてみると、ゴキさんには嫌いな臭いがある事が判明。食べ物も、手当たり次第に何でも好むそうですが、塩だけは苦手なのだそうです。私たち人間には鼻がスーッとして清涼感があるミントですが、ゴキさんはこの臭いこそ苦手。なので、小鉢に塩を広げて、そこにミントのオイルを垂らして彼らの侵入しそうな場所に置いておくと効果を発揮してくれるそうなのです。

シンクの下に置いて1ヶ月。今現在は姿を見ていないので効果が発揮されているのか、それとも冬だから活動に意欲が見出せていないだけなのかまだ分かりませんが、身近なものの組み合わせで撃退出来ているとしたら簡単ですし、何より毒性は全く無いので、小鉢をひっくり返さない事しか注意点が無いところも良いですね。そして、シンク下の引き出しを開ける度にミントの香りでリラックス出来るので、大変オススメです。もう少し暖かくなったら、撃退効果を期待してお勝手口や玄関の靴箱の下、浴室の窓にも置いてみようと思います。



[発行] 東雲研修センター https://www.eco-reform.org/
東京都江東区東雲2-9-7 東雲配送センター内
営業日 月~金:9時~17時 土:応相談
お問い合わせ 03-3665-9033(本社窓口)

※送信が不要の場合は、その旨このメールへの返信でご連絡ください。