東雲研修センター ニュースレター No.56
この度の令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に対しまして、心よりお悔やみ申し上げますと共に、被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

日本は地震大国と言われていまして、平成7年の阪神・淡路大震災以降に住宅に大きな被害をもたらした地震は10回以上も起きています。阪神・淡路大震災では建物の倒壊で下敷きになりお亡くなりになった方々が全体の約83%を占め、特に昭和56年5月31日までの旧耐震基準で建てられた住宅が中心でした。他の地震での被害も同様です。そこで国土交通省では、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅を概ね解消、令和7年までに住宅の耐震化率95%」を目標として掲げ、所有者による耐震化を支援しています。

各自治体によって対象条件に多少の差はありますが、補強設計等及び耐震改修を総合的に支援する新しい補助制度があります。まずは耐震診断を実施して自らの建物の耐震性を把握し、結果耐震性が不十分であった場合は、必要に応じて補助制度を活用して耐震改修や建替えを検討して頂きたいと思います。という事で、今回は耐震改修のための補助制度について一緒に学んで行きましょう。

橋本総業株式会社
東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【戸建住宅の耐震改修の重要性と補助制度】
【3】耐震改修工事の例
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
◎東雲研修センターは感染予防対策徹底中!!
東雲での研修は、実習を伴うことから濃厚接触の可能性があります。
感染防止には万全の体制で臨んでおります。詳しくはHPをご覧下さい。

東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。



【現在受講生募集中の研修一覧 (2024年3月まで) 】
2月6日(火)キッチン現調・施工研修10:00~16:006,000円15名
2月22日(木)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名
3月22日(金)パッケージエアコン施工研修10:00~17:0015,000円6名
3月28日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名

* 今年度より一部の受講料を部材価格の影響から改定させていただきます。ご了承願います。

お申し込みは こちらから

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【戸建住宅の耐震改修の重要性と補助制度】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。今年もよろしくお願いします!
先生、今年はお正月から震災なんていう悲しい災害が起こっちゃいましたね。。まさか元旦にあんな悲惨なニュースを見ることになるなんて、あの日の事を思い出すだけでも心が張り裂けそうです。
エコ次郎 エコ娘くん、こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
そうですね、私もあの現実には本当に気持ちのやり場が見付からなくて、ただただ1人でも多くの命が助かって欲しい、悲しい思いをする人が1人でも少なくあって欲しいと願うばかりでした。災害は自分たち人間の無力さを痛感させられると言いますか、自然の力には太刀打ち出来ないのだろうか...、と虚無感にも襲われますし、本当にやるせないですね。
エコ娘 虚無感か。家が全壊している地域がTVに映ると感じちゃいますよね。地震が来たら逃げる事しかできないけど、あんな簡単に家が倒れたり崩れたりしたら逃げる事さえ難しいし、もう運に任せるしか方法は無いんでしょうかね...。
エコ次郎 そんな事は無いですよ。地震が来る事は止められませんが、地震が来た時の為に事前にできる事があります。それが『耐震です。
日本の面積は地球の表面の1%しかありませんが、世界中で起きるM6.0以上の地震の約20%が日本で起きています。つまり、大きな地震が起きないという場所が日本中どこにも無いと言っても過言ではありません。実際に、近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震の予測に「能登半島地震」は含まれていませんでしたし、平成28年4月に発生した熊本地震もそうでした。
日本はこのように地震の恐怖に常に晒されていますが、平成7年に起きた阪神・淡路大震災で「建物等の倒壊が原因での圧死・損壊死等が死因全体の83.3%を占めた」と言う痛ましい教訓があったからこそ、全国で耐震の意識が高まり、東日本大震災では圧死・損壊死等はわずか4.2%でした。残念ながら津波の被害で全壊・半壊した住宅は多かったですが、それでも津波に押し流される前の映像を見ると、外見的には大破していないものが多いように見受けられました。この結果を見ると、やはり耐震基準を満たすべく耐震改修の重要性を強く感じます。
エコ娘 東日本の時は私も揺れを体験したし、特にその日は津波に家が押し流される映像をずっとずっと見ていた記憶があります。でも言われてみると、津波が押し寄せる前の街は意外と普通で、みんながとにかく高台に逃げるのに必死だったイメージが強いかも。あれは耐震が進んだ結果だったんですね。
でも先生、TVで見る限りの印象ですけど、今回の能登半島地震は揺れで全壊している家が多いように感じるんです。耐震は全国で進んでいるのに何でなんだろう?
エコ次郎 まだ被害の全容が明らかになっていないので、どれだけの家が全壊・半壊したのか詳細は分かりませんが、地域全体で耐震が追い付いていなかった事があるかと思います。
2018年度末までに国の耐震基準を満たした住宅は全国で87%でした。しかし、今回の能登半島地震で木造住宅の倒壊が相次いだ珠洲市を例に見てみると、2018年度末までに国の耐震基準を満たした住宅はわずか51%。全国平均を大きく下回っていました。去年5月にも震度6強の地震が発生し、珠洲市も被害を受けていまして、この地震の後に倒壊の危険性を調査する県職員ら応急危険度判定士が「危険」と判定した住居は、珠洲市を中心に361棟、「要注意」は689棟に上ったそうです。しかし、珠洲市の高齢化率は石川県内で最も高い51.7%(2020年)。家主が高齢者施設に入所したり、亡くなったりで空き家になっていた家は市全体で約2割で、手入れが行き届かずに老朽化しているケースも少なくなかったですし、住んではいても建て直す気力や資金力が無かったというケースも多くありました。
エコ娘 耐震化の地域差ってそんなにあるものなんですか?!正直そこまで大きな差があるなんてビックリ!
エコ次郎 珠洲市のお隣りの輪島市に至っては耐震化率45%と更に低く、半数にも満たないです。耐震化率の上位は東京、神奈川、大阪など住宅需要が高く建替えが進んでいる都市部で、逆に地方や過疎地では建替えよりも既存の住宅の耐震改修が軸になりますが、「今更改修したところで後に住み続ける家族もいない」とか「あと何年ここで暮らせるかも分からない」と言った考えが強く、わざわざ高いお金を払ってまで改修しようとする人が少ないのが現状です。
こういう姿勢を無責任に感じる方もいらっしゃるだろうと思いますが、耐震改修はやろうと思ってすぐにできる事ではなく、相談震診断耐震設計耐震改修工事と段階を踏んで行かないといけなくて、考えただけでもハードルは高い。。何となく先延ばしにしてしまう気持ちは正直分からなくもないのですよね。特に「どこに相談したら良いか分からない」という、スタートで躓いて居る方も多いと思います。
エコ娘 分かる~!すごく分かる~~!私も部屋にあるもう絶対に使わないものを、ずっと「まいっか」と思って何年もそのままにしちゃってます~!燃えるゴミで出せない物って何曜日にどうやって捨てたら良いのか分からないからママに手伝ってもらわないといけなくて、なんか面倒臭いんですよねー。
エコ次郎 それは私にも身に覚えがたくさんあります(笑)
とても気持ちは分かるので・す・が、でも耐震改修は全く別物です。耐震改修は何故行うべきか?と言うと、もし地震が来て自分の家が倒壊した時に、お隣りの家や通行人を巻き込んでしまう可能性が高いからです。倒壊して道路を塞いでしまった場合は救急車などの緊急車両の通行の妨げになって、助かるはずだった人が手遅れになってしまう事も考えられます。もちろんそこに暮らす自分たち家族も下敷きになる確率が高く、救出して貰わないと助からない場合も多いにあります。耐震改修は自分たちだけではなく、周りの人たちの命の為でもあるのです。
エコ娘 ごもっとも。「周りの人たちの命の為でもある」これをしっかり考えないといけないですね。
先生、もし耐震改修工事を検討するとして、やっぱりお金の問題って大きいじゃないですか。ZEHとかみたいに補助制度って無いんですか?貰える条件もあるなら教えて欲しいです!
エコ次郎 さすがエコ娘くん、大変良い質問ですね!
平成30年度から、住宅の耐震化に向けた積極的な取り組みを行う自治体について、補強設計等及び耐震改修を総合的に支援する新しい補助制度『パッケージ支援(総合支援メニュー)』が創設されました。マンションを除く住宅が対象で、補強設計等費及び耐震改修工事費(密集市街地等で防火改修も行う場合は防火改修工事費を含む)を合算した額に最大100万円の補助が貰えるという内容ですが、全ての住宅が対象となる訳ではなくいくつかの条件がありますので、そこを見て行きたいと思います。

[条件1] 昭和56年5月31日までに建築確認を受けた木造住宅
多くの自治体でこれが条件となりますが、昭和56年5月31日以前の建物は「旧耐震基準」で建てられていて「新耐震基準」に満たない住宅のため、地震で倒壊する可能性が高いからです。

[条件2] 木造軸組み工法で2階建以下のもの
基本的には木造軸組み工法で2階建以下の建物が補助金対象となります。自治体によって、伝統工法やツーバイフォー住宅が対象であることもありますので注意が必要です。また、3階建て以上の住宅は、耐震工事や構造計算が特殊になるため、補助金の対象外となるケースがほとんどです。

[条件3] 所有者が自ら居住している戸建住宅
上記である場合は何も問題ありません。貸家のように、所有者と居住者が別の方(配偶者や親族なども含む)の場合は、申請は所有者が行うことが条件となります。また、店舗等併用住宅は制限がある場合が多いので確認が必要です。

上記3つが概ね全国共通の条件となっていますが、自治体によっては「住宅に関する納税が適切に行われていること」「申請者(所有者)に市税などの滞納がない」など税金に関する条件があったり、所得制限を設けていたりするので、まずはお住いの自治体のホームページで詳細をご確認下さい。
エコ娘 工法については全然分からないから、基本は旧耐震基準のごく一般的な2階建木造住宅が対象って覚えておこーっと。こういう住宅って下町の路地を入ったらいっぱいあるイメージだけど、そう言えば近年オシャレ狭小住宅にいつの間にかリノベーションされている事も多いのは、こういう補助制度が功を奏しているからなんですね。勉強になりました!
エコ次郎 耐震改修工事と一緒にリフォームをする事も可能で、一緒なら費用も手間も少なく済むので、お年寄りでも安心して暮らせるバリアフリーにする方も多いようですよ。
あ、そうでした。対象条件はお伝えしましたが、耐震改修工事ではどんな所を直すのかはまだでしたので、工事の例を次の項目でお伝えしようと思います。
エコ娘 それ知りたい!よろしくお願いしまーす!

【3】耐震改修工事の例

耐震診断では家の地震に対する強さ(耐震性能)を調べますが、評点が1.0未満の場合は耐震改修が必要となります。

評点1.5以上 ◎倒壊しない
評点1.0以上1.5未満 ○一応倒壊しない
評点0.7以上1.0未満 △倒壊する可能性がある
評点0.7未満 ×倒壊する可能性が高い


改修箇所の例

[1]基礎
家全体を支える基礎はとても重要です。ひび割れの原因を無くし、ひび割れを補修することで中の鉄筋のサビの進行を抑えます。また、既存の基礎が弱い場合には、鉄筋コンクリートを増し打ちて、基礎を強くし、上に載る壁や筋かいの力を支えます。

[2]
柱と柱の間に斜めに筋かいを入れたり、構造用合板を使って地震に強い壁を増やします。これによって地震時に起きる家を歪ませるような力を抑えることが出来ます。

[3]柱/梁
金属金物によって柱や梁をしっかりと繋げ地震の力で外れてしまわないようにします。

[4]屋根
重い屋根であるほど、家への地震の力が大きく作用します。軽い屋根材へ交換することで、家にかかる負担を小さくすることが出来ます。


いずれの場合もただ単に強くするのではなく、家全体のバランスがとれるよう適切な位置に必要な補強や補修を行う必要があります。


【4】編集後記 ~エコ次郎の小ネタ横町~

皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。先週の強風の日々はこれぞ冬!という冷え込みで、寒さが身に染みましたね。さすがにダウンコートと手袋の出番となりました。

さて、最近我が家で導入したブリタの浄水器についてのお話しです。以前から、妻が毎晩の服薬で水道水を飲む度に「まずい」と眉間にシワを寄せていました。そりゃ買って来たミネラルウォーターと比べたら味は劣るけど、十分飲めるだろう。水に関して疎い私は、水道水で我慢して欲しいと願っていました。しかし良く考えると、基本的に妻が何かをねだる事はほぼ無いのです。それどころか、欲しいものもすぐには買わず、徹底的な価格調査をした上で、それでも熱が冷めなかったら買う倹約家。すぐに買ってしまう私とは雲泥の差なのです。さすがに毎晩の「まずい」を続けさせるのは、違う意味でも「まずい」かもしれない・・・

色々と検討した結果、ヨーロッパでは一家に1台が当たり前と言われているブリタのポット型浄水器を購入することにしました。某大型倉庫店でカートリッジが4つ入って3,780円。妻の価格調査によって最安値での購入でした。ヨーロッパはカルキが多いので、ブリタは必要だろうと思うのですが、日本の水はそこまで違いが生まれるのか?と、実は半信半疑でした。ところが早速購入した夜に飲み比べてみたところ、全然違いました!余りの違いに、私も初めて飲み慣れた水道水を「まずい」と言ってしまいました(笑)

しかし、気になるのはカートリッジ。毎月これを捨てるとなると地球環境にはどう影響するんだろう?と気になっていました。が、さすがはリサイクルの進んだヨーロッパのもの。なんとカートリッジの中身は活性炭なので、使い終わったらそのまま良く乾かすと、冷蔵庫や靴箱の消臭剤として再利用ができるのだそうです。加齢臭に犬の臭いもある我が家では、リビングにも必須。車にも使おう。もう100円ショップの活性炭とはお別れです。水もおいしく、妻の「まずい」も消え、臭いも消え、良い買い物をしました。お手軽なので、もし我が家のように水の味に不満がある方にはオススメです。



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