東雲研修センター ニュースレター No.52
いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

2022年4月1日から建築物(個人宅含む)・工作物の解体工事、リフォーム・修繕などの改修工事に対する石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告が義務化されましたが、2023年10月(来月)からは事前調査を行う者には『建築物石綿含有建材調査者という資格が必要になります。石綿は建物内の吹き付けや建材に使用されて来ましたが、健康被害が問題となり、段階的に使用が規制され、2006年からは石綿を含む製品の製造や輸入が全面禁止されています。しかし、それ以前の建物には石綿が含まれている可能性がある為、石綿の有無は専門家が調査をする事になりました。

建築物石綿含有建材調査者の資格は工務店やリフォーム店などの元請け店では今後必要になりますので、今回はこの資格の種類、取得方法、石綿がもたらす健康被害について一緒に学んで行きたいと思います

橋本総業株式会社
東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【石綿(アスベスト)の健康被害】
【3】建築物石綿含有建材調査者について
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
◎東雲研修センターは感染予防対策徹底中!!
東雲での研修は、実習を伴うことから濃厚接触の可能性があります。
感染防止には万全の体制で臨んでおります。詳しくはHPをご覧下さい。

東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。



【現在受講生募集中の研修一覧 (2024年2月まで) 】
10月24日(火)システムバス現調研修10:00~15:006,000円15名
10月26日(木)パッケージエアコン施工研修10:00~17:0015,000円6名
11月2日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
11月17日(金)ガス可とう管資格研修10:00~17:0017,000円30名
11月21日(火)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名
12月7日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
12月12日(火)配管接続研修10:00~14:006,000円15名
1月11日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
1月16日(火)システムバス現調研修10:00~15:006,000円15名
1月23日(火)ガス給湯器・ハイブリッド給湯器現調研修10:00~15:006,000円15名
2月6日(火)キッチン現調・施工研修10:00~16:006,000円15名
2月22日(木)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名

* 今年度より一部の受講料を部材価格の影響から改定させていただきます。ご了承願います。

お申し込みは こちらから

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【石綿(アスベスト)の健康被害】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは!早速なんですけど、今日も先生に質問したいことがあるんです!
石綿(アスベスト)」って何なんですか?!この前テレビで石綿の被害について見たんですけど、有害物質って事くらいしか分からなくて。何で石綿は害なんですか?
エコ次郎 エコ娘くんは相変わらず勉強家ですね!石綿にも関心があるとは、将来は建築関係に進んで下さったら今日これから得る知識がきっと存分に活かせると思いますよ。
石綿は天然に産する繊維状けい酸塩鉱物というもので、熱・摩擦・酸やアルカリに強く、丈夫で変化しにくい特性で、耐薬品性も大きいなど安価で優れた性質を持つ為に、ビル等の建築工事においても吹き付け材、保温・断熱材、スレート材など、幅広く用いられて来ました。しかし、石綿には散すると空気中に浮遊しやすく、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい特徴があり、体内に滞留した石綿が要因となって肺の線維化やがんの一種である肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことが問題となりました。
エコ娘 ひぃぃ~!!それって超怖いじゃないですかぁ!吸い込んだだけでガンになるなんて。でも、石綿って“綿”って言うくらいだからフワッとしてるんでしょうけど、吸い込んじゃうほどのものなんですか?吸い込んだら咳き込んで吐き出せたりはしないんですか?
エコ次郎 石綿はヒトの髪の毛よりももっともっと細くて、肉眼では見ることが出来ない極めて細い繊維なんです。それなので空気中に飛散しやすい上に、舞っている事に気付かずに吸い込んでしまうんですね。吸い込んだ石綿の繊維の一部は痰に混ざって体外へ排出されるのですが、排出できなかった繊維は肺の組織内に長く滞留することになります。長期間に渡って肺に滞留した石綿繊維によって炎症が起こり、肺の組織が傷つけられ続けることで線維化(肺線維症)、悪性中皮が生じます。また、発生した活性酸素によりDNAが損傷された結果、遺伝子異常が起こり、細胞ががん化(肺がんする可能性が考えられています。
エコ娘 聞けば聞くほど怖いんですけど........。
先生、“長期間に渡って肺に滞留”って仰っていましたけど、長時間って具体的にどれくらいの時間なんですか?吸い込んだらどれくらいで病気になるんですか?1年くらい??
エコ次郎 いえ、石綿の“長時間”はもっと長い年月です。
肺線維症は、職業上石綿粉塵を10年以上吸入した労働者に起こると言われていて、潜伏期間は15~20年と言われています。
肺がんは、石綿暴露から発症までの潜伏期間が15~40年と言われていて、喫煙と相乗作用があるとされています。何も吸っていない人と比較して、石綿の暴露だけだと発症のリスクは5倍、喫煙だけだと10倍、どちらもだと50倍にもなってしまいます。ちなみに悪性中皮腫の場合は、アスベストと喫煙の相乗作用はないそうです。
悪性中皮種は、若い時に吸い込んだ人の方が発症しやすいと言われていて、潜伏期間は20~50年(およそ40年に発症のピークがある)と言われています。
エコ娘 それ、本当ですか?!信じられないんですけど....肺の中に入り込んで何十年も居座り続けて悪さをするなんて、そんな事があるんですか......結構ショック。。
エコ次郎 そうですよね。更に残念な事に、石綿作業従事者が仕事で着ていた作業衣を家族が洗濯する事などによって、家族も吸入の危険性があると言われています。つまり、間接的にでも吸い込んでしまう可能性があるくらい、石綿の粉塵は飛散するという事です。もし石綿作業従事者のご家族で現在症状のある方は、医療機関(呼吸器内科等)を受診し、その際に医師に石綿作業従事者の家族である(あった)旨お伝えして頂きたいです。現在症状がない場合、労災病院でも健康診断に関する相談を受け付けるとともに、石綿の特殊診断を実施していますので、ご利用して下さればと思います。
エコ娘 詳しくありがとうございました。石綿の怖さを知ってしまったら、近所の古い建物とかにも使われていないか心配になって来ちゃいました(>_<) 先生、まだまだ石綿を使った建物ってあるんですか?そう言うのって分かるものなんですか?老朽化した建物が埃が舞いながら解体されていて、後になって「実は石綿も使われてました!」なんて事になったらどうするんだろう?
エコ次郎 エコ娘くんが心配になる気持ち、良く分かりますよ。でもご安心下さい!石綿による労働者の健康障害を防止するために、建築物の解体やリフォーム・修繕などの改修工事に対する石綿の事前調査が必要なのですが、2022年4月1日からは事前調査結果の報告が義務化されています。更に来月である2023年10月からは、事前調査を行う者には『建築物石綿含有建材調査者という資格が必要になりますので、これまで以上に石綿に対して厳しい対応が求められます。
エコ娘 へぇ!そういう資格があるんですね!それを聞いて安心しました♪
エコ次郎 工務店やリフォーム店などの元請け店では今後必要不可欠の資格になりますので、どういう条件で資格の取得ができるのか、建築物石綿含有建材調査者には3種類あるので、それぞれの違いについても次の項目でご紹介したいと思います。
エコ娘 3種類もあるんだ!それは知りたいです。今日も優しく説明お願いします!
エコ次郎 はい、かしこまりました(^_^)

【3】建築物石綿含有建材調査者について

建築物石綿含有建材調査者の資格を取得するには、建築物石綿含有建材調査者講習を受講し、修了考査に合格する必要があります。しかし、石綿含有建材調査者講習を受講するためには建築に関する実務経験が2年以上必要があります。

建築に関する実務経験が2年以上ない人は、「石綿作業主任者の資格を取得してから石綿含有建材調査者講習を受講して下さい。石綿作業主任者とは、石綿が含有している建材の除去作業を実施する際に選任することが石綿障害防止規則で義務付けられている資格のことです。
石綿作業主任者の資格を証明するものを石綿含有建材調査者講習の主催団体へ提出することで、石綿含有建材調査者講習を受講することが可能になります。

一般建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者に係る講習を修了した者で、全ての建築物の調査を行うことができる資格。

特定建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者の講習内容に加えて、実地研修や、口述試験を追加したもので、全ての建築物の調査を行うことができる資格。

*建築物石綿含有建材調査者の一般・特定の大きな違いは試験方式の違いです。講習内容や筆記試験自体には大きな違いはありませんが、特定区分では、実地研修および口述試験・調査票試験に合格する必要があります。なお「一般」「特定」のどちらを取得しても、現在の法律では従事できる業務範囲は同じとなっています。

一戸建て等石綿含有建材調査者
一戸建て住宅および共同住宅の内部に限った調査(共有部分は除く)を行うことができる資格。
一戸建ての場合、「1つの住宅に1世帯が住んでいる状態」を指します。戸建ての区分では、戸建て住宅や共同住宅の居住部分で石綿調査に携わることが可能です。一方で、ベランダや廊下などや共有部分は一般もしくは特定の資格が必要となります。 ただし、一戸建ての場合も規模によっては一般建築物に該当したり大規模建築物に該当したりする可能性があるのも特徴です。

アスベスト診断士の資格保持者
アスベスト診断士の資格を持っている人で、2023年9月30日までに日本アスベスト調査診断協会に登録した場合は事前調査を行うことができます。既に登録されている方も引き続き事前調査を行うことができます。



【4】編集後記 ~エコ次郎の小ネタ横町~

皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。やっと、ですが、急に秋が来ましたね。先週までのあの暑さは何だったのか?と思うほど一気に気温が下がり、朝晩は冷えるので、掛け布団も厚手のものをプラスしてしまいました。急な寒暖の差は体調を崩しやすくしますので、体調管理には気を付けたいですね。

さて、今日は先日テレビで見て大変驚いた長寿のニュースについてです。日本は長寿の国と言われていますが、先日テレビで拝見しました薬剤師さんは今月でなんと101歳を迎えるのだそうです。101歳で現役、本当に驚きました。しかも週6日も店頭で薬の処方を行なっているそうで、どこからどう見ても80代にしか見えない程ハツラツとしてお若いのです。今まで私がお近付きになった中で100歳超えの方は数名おりましたが、就労できる程お元気に過ごされている方は1人もいらっしゃらなかったので、絶対にあり得ない話しだと思い込んでいました。けれど、その薬剤師さんは話し方も滑舌良く、穏やかで品があり、歯も自前で、笑顔も素敵。何より自身の仕事や生き方に自信と誇りが感じられて、本当に素晴らしい方でした。その方は「仕事を持っていて本当によかったです。みなさんも趣味でも仕事でもいいので、何か続けられるものを持って頑張ってほしいです。」と仰っていて、やはり1つのことでも長く楽しく続けることが元気に長生きできる秘訣なのだろうと思いました。

こんなにお元気な方が1人でもいるとすごいな!と思いますが、5年ごとに行われる国勢調査の結果によると、なんと2020年に100歳を超えて就労している方は全国に406人もいらっしゃったそうです。きっと今年はもっと増えているはず。脱帽ですね。自分が現役で100歳になる姿なんて全く想像できませんが、「老後」やら「年金暮らし」などにかまけず、生涯に渡って趣味を持って元気で居たいと思います。願わくば、下の方もリハビリパンツやオムツなどの使い捨て商品に頼らずに居られたら、ゴミが減る訳ですから立派なSDGsですよね。そんなお爺さんになれるように頑張りたいです。




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