本日のお題 【建築現場の人手不足とその理由】 |
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エコ次郎先生、こんにちは。3月のメルマガでエコ次郎先生にZEHについて教えて頂いたじゃないですか。最近うちの近所で新築の戸建てが2軒も建てられていて、それが両方ともZEHだったんです!ママは「あんな窓が小さい家ヤダ!」って否定的だったけど、私は「これが地球に優しい家なんだぁ」って思ったら嬉しくて、わざわざちょっと遠回りして見に行ったりしてます♪
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エコ娘くんは偉いですね!お母様はきっと窓の大きい明るいお家がお好きなのでしょう。けれど地球環境の悪化は本当に世界全体で急速に取り組まないといけない問題なので、これからは個人の好みよりも環境重視が求められるようになります。徐々にお母様にもその事を理解して頂けたら嬉しいですね。
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どうかなー?ママは結構我が強くてワガママだから一生理解できないかも!笑
あ、そうだ。エコ次郎先生に質問したいことがあったんだ。ここ2ヶ月くらい頻繁に建築現場を見に行っていて気付いたんですけど、何で現場で働いてるのっておじちゃんだけなんですか?どっちの家を見に行っても必ずおじちゃんなんです。思い返せば昔から若い人ってあんまり見たこと無かったなーって思うけど、若い人は現場に出られない決まりでもあるんですか?
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なかなか鋭い質問ですね。ZEHを見に行って建築現場で働く人にも関心を寄せるなんて、さすがエコ娘くんは視野が広いですね。
今建築現場では深刻な人手不足に陥っていて、その理由の1つに若年層の少なさがあります。現場は若手を欲しがっているのですが集まらないのが現状で、結果的におじちゃんばかりになってしまっているのです。
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そうなんだ!てっきり規制があるのかと思ってました。でも、何で若い人が集まらないんですか?建築現場で働く人って “職人” って感じでカッコいいと思うんですけど。
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確かに職人という響きは「手に職」の代表的存在に思えてカッコいいですが、建築業を含む建設業は「キツイ・汚い・危険」の3Kのイメージが強く、労働時間が長い割には給料が見合っていないと感じる人も多く、加えて少子化問題もあり、なかなかこの業界に入って来る若者も、入って来ても長く務めてくれる若者も少ないというのが現状なのです。
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確かに言われてみれば、夏の暑い中でも淡々と朝から仕事をしていてキツそうだし、重いものも運ぶから疲れそうだし、高所の作業は危険も伴うし。それでいて給料が安いと来たら・・・ん~そうだなー、自分が男の子だったらやりたいか?って聞かれたらちょっと躊躇しちゃうかなぁ。あと、日曜日以外はずっと仕事をしているイメージがあるんですよね。肉体労働なのに仕事の時間も長かったら体力も心配。
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その長時間勤務も深刻な問題なんです。年間実労働時間が年々減っていると言えど、建設業は全産業の平均に比べて年間364時間も労働時間が多く、年間出勤日数も30日以上多くなっています。更に建設業全体での休日の状況は4週8休は5.7%、64%が4週4休以下でして、これでも驚くほど少ないのですが、建設業の中でも建築工事に至っては4週8休はわずか2.8%、4週4休以下は73.5%と、おおそよ4人に3人は週に1日しか休めていません。これでは若い人は疎か、全体的な人手不足は解消されませんよね。
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年間に364時間も多く働いてるの!? 仮に1年365日全く休まずに働いたとしても、毎日1時間多く働いてるっていう事になりますよね。そう考えたら凄いオーバーワークじゃないですか!しかも1週間に1日しか休みがないなんて、部活動に力を入れてる強豪校並みですよ!そんな重労働なのにおじちゃんばっかりって...キツすぎますよォ(>_<)
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そうですよね。。今建設業界は高齢化が進んでいて、55歳以上の建設業就業者は令和2年には36%、逆に29歳以下はたったの12%になっています。エコ娘くんが仰る「おじちゃんばっかり」に拍車が掛かっていますし、それでいて人手不足で多忙となると工期の遅れも生じますし、次世代への技術承継という大きな課題も解消は難しいでしょう。実際に、我が家も今年は床暖房を導入することにして、当初の工事予定はGWにまたがる予定だったのですが、結局8月下旬開始に変更になりました。理由は言わずもがな人手不足です。
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えー!4ヶ月も後ろ倒し!?そんなに人手不足なんだ...。そんなんじゃ確かに若い人が入って来てくれても教える暇も無いですよね。。
先生、人手不足とか労働時間が長い事とかってどうにか出来ないんですか?そこが改善されたら少しは働き手も増えそうな気がするんですけど。
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エコ娘くん、大変良い質問をして下さいました。実は、来年2024年4月に『働き方改革関連法』が適用になり、建設業に於いて4月1日以降は時間外労働の上限が規制され、違反した場合は6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられるようになります。更に、企業の規模に関係なく月の時間外労働が60時間を超える場合には、50%の割増賃金を支払わなければいけなくなります。
ただ、人手不足の現状で、4月からいきなり時間外労働の上限を取り入れると言うのは現実的ではありません。やはり大きな変化をもたらす場合は事前準備が必要ですよね。そこで、国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しており、建設業に向けて働き方改革を実現するための具体的な施策を提案しています。
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なんだぁ!もうちゃんと国が動いて対策を講じていたんですね!何の手も打てずにこのまま衰退していくだけなのかなってちょっと心配しちゃったけど、そっかー安心しました!あ、それで先生、「建設業働き方改革加速化プログラム」って具体的にはどんな内容なんですか?
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主に、長時間労働の是正に関する取組や、給与・社会保険に関する取組で、技能や経験にふさわしい処遇の実現を目指したりと、なかなか内容の濃いものになっています。せっかくですので次の項目で詳しく説明させて頂けますか?
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もちろんです♪私は第三者だけど、こんな過酷な状態がどんな風に変わって行くのか?に興味が湧いたし、何より私たち部外者でも希望が感じられる内容だったら凄く嬉しいな!先生、説明よろしくお願いしま~す!
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