東雲研修センター ニュースレター No.50
いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

建設業が労働環境の課題を是正しなければならない「働き方改革関連法」の適用、通称『2024年問題がいよいよ来年に迫っています。建設業は3K(キツイ、汚い、危険)というイメージが強く、求職者から避けられがちで深刻な人手不足に陥っています。そこで国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラムを策定し、長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野において労働環境改善に向けて動きを活発化させて来ました。
今回は、建築・建設業で人手不足が深刻になっている現状と原因と、建設業働き方改革加速化プログラムによって労働環境にどのような改善をもたらしているのか?を一緒に見て行きたいと思います。

橋本総業株式会社
東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【建築現場の人手不足とその理由】
【3】建設業働き方改革加速化プログラム
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
◎東雲研修センターは感染予防対策徹底中!!
東雲での研修は、実習を伴うことから濃厚接触の可能性があります。
感染防止には万全の体制で臨んでおります。詳しくはHPをご覧下さい。

東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。



【現在受講生募集中の研修一覧 (2023年12月まで) 】
8月22日(火)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名
10月3日(火)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
10月24日(火)システムバス現調研修10:00~15:006,000円15名
10月26日(木)パッケージエアコン施工研修10:00~17:0015,000円6名
11月2日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
11月17日(金)ガス可とう管資格研修10:00~17:0017,000円30名
11月21日(火)便器・WL設置研修10:00~15:0010,000円15名
12月7日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
12月12日(火)配管接続研修10:00~14:006,000円15名

* 今年度より一部の受講料を部材価格の影響から改定させていただきます。ご了承願います。

お申し込みは こちらから

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【建築現場の人手不足とその理由】
エコ娘 エコ次郎先生、こんにちは。3月のメルマガでエコ次郎先生にZEHについて教えて頂いたじゃないですか。最近うちの近所で新築の戸建てが2軒も建てられていて、それが両方ともZEHだったんです!ママは「あんな窓が小さい家ヤダ!」って否定的だったけど、私は「これが地球に優しい家なんだぁ」って思ったら嬉しくて、わざわざちょっと遠回りして見に行ったりしてます♪
エコ次郎 エコ娘くんは偉いですね!お母様はきっと窓の大きい明るいお家がお好きなのでしょう。けれど地球環境の悪化は本当に世界全体で急速に取り組まないといけない問題なので、これからは個人の好みよりも環境重視が求められるようになります。徐々にお母様にもその事を理解して頂けたら嬉しいですね。
エコ娘 どうかなー?ママは結構我が強くてワガママだから一生理解できないかも!笑
あ、そうだ。エコ次郎先生に質問したいことがあったんだ。ここ2ヶ月くらい頻繁に建築現場を見に行っていて気付いたんですけど、何で現場で働いてるのっておじちゃんだけなんですか?どっちの家を見に行っても必ずおじちゃんなんです。思い返せば昔から若い人ってあんまり見たこと無かったなーって思うけど、若い人は現場に出られない決まりでもあるんですか?
エコ次郎 なかなか鋭い質問ですね。ZEHを見に行って建築現場で働く人にも関心を寄せるなんて、さすがエコ娘くんは視野が広いですね。
今建築現場では深刻な人手不足に陥っていて、その理由の1つに若年層の少なさがあります。現場は若手を欲しがっているのですが集まらないのが現状で、結果的におじちゃんばかりになってしまっているのです。
エコ娘 そうなんだ!てっきり規制があるのかと思ってました。でも、何で若い人が集まらないんですか?建築現場で働く人って “職人” って感じでカッコいいと思うんですけど。
エコ次郎 確かに職人という響きは「手に職」の代表的存在に思えてカッコいいですが、建築業を含む建設業は「キツイ汚い危険」の3Kのイメージが強く、労働時間が長い割には給料が見合っていないと感じる人も多く、加えて少子化問題もあり、なかなかこの業界に入って来る若者も、入って来ても長く務めてくれる若者も少ないというのが現状なのです。
エコ娘 確かに言われてみれば、夏の暑い中でも淡々と朝から仕事をしていてキツそうだし、重いものも運ぶから疲れそうだし、高所の作業は危険も伴うし。それでいて給料が安いと来たら・・・ん~そうだなー、自分が男の子だったらやりたいか?って聞かれたらちょっと躊躇しちゃうかなぁ。あと、日曜日以外はずっと仕事をしているイメージがあるんですよね。肉体労働なのに仕事の時間も長かったら体力も心配。
エコ次郎 その長時間勤務も深刻な問題なんです。年間実労働時間が年々減っていると言えど、建設業は全産業の平均に比べて年間364時間も労働時間が多く、年間出勤日数も30日以上多くなっています。更に建設業全体での休日の状況は4週8休は5.7%、64%が4週4休以下でして、これでも驚くほど少ないのですが、建設業の中でも建築工事に至っては4週8休はわずか2.8%、4週4休以下は73.5%と、おおそよ4人に3人は週に1日しか休めていません。これでは若い人は疎か、全体的な人手不足は解消されませんよね。
エコ娘 年間に364時間も多く働いてるの!? 仮に1年365日全く休まずに働いたとしても、毎日1時間多く働いてるっていう事になりますよね。そう考えたら凄いオーバーワークじゃないですか!しかも1週間に1日しか休みがないなんて、部活動に力を入れてる強豪校並みですよ!そんな重労働なのにおじちゃんばっかりって...キツすぎますよォ(>_<)
エコ次郎 そうですよね。。今建設業界は高齢化が進んでいて、55歳以上の建設業就業者は令和2年には36%、逆に29歳以下はたったの12%になっています。エコ娘くんが仰る「おじちゃんばっかり」に拍車が掛かっていますし、それでいて人手不足で多忙となると工期の遅れも生じますし、次世代への技術承継という大きな課題も解消は難しいでしょう。実際に、我が家も今年は床暖房を導入することにして、当初の工事予定はGWにまたがる予定だったのですが、結局8月下旬開始に変更になりました。理由は言わずもがな人手不足です。
エコ娘 えー!4ヶ月も後ろ倒し!?そんなに人手不足なんだ...。そんなんじゃ確かに若い人が入って来てくれても教える暇も無いですよね。。
先生、人手不足とか労働時間が長い事とかってどうにか出来ないんですかそこが改善されたら少しは働き手も増えそうな気がするんですけど
エコ次郎 エコ娘くん、大変良い質問をして下さいました。実は、来年2024年4月に『働き方改革関連法』が適用になり、建設業に於いて4月1日以降は時間外労働の上限が規制され、違反した場合は6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられるようになります。更に、企業の規模に関係なく月の時間外労働が60時間を超える場合には、50%の割増賃金を支払わなければいけなくなります。
ただ、人手不足の現状で、4月からいきなり時間外労働の上限を取り入れると言うのは現実的ではありません。やはり大きな変化をもたらす場合は事前準備が必要ですよね。そこで、国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラムを策定しており、建設業に向けて働き方改革を実現するための具体的な施策を提案しています。
エコ娘 なんだぁ!もうちゃんと国が動いて対策を講じていたんですね!何の手も打てずにこのまま衰退していくだけなのかなってちょっと心配しちゃったけど、そっかー安心しました!あ、それで先生、「建設業働き方改革加速化プログラム」って具体的にはどんな内容なんですか?
エコ次郎 主に、長時間労働の是正に関する取組や、給与・社会保険に関する取組で、技能や経験にふさわしい処遇の実現を目指したりと、なかなか内容の濃いものになっています。せっかくですので次の項目で詳しく説明させて頂けますか?
エコ娘 もちろんです♪私は第三者だけど、こんな過酷な状態がどんな風に変わって行くのか?に興味が湧いたし、何より私たち部外者でも希望が感じられる内容だったら凄く嬉しいな!先生、説明よろしくお願いしま~す!

【3】建設業働き方改革加速化プログラム

政府はこれまで、関係省庁連絡会議の設置や「適正な工期設定等のためのガイドライン」の策定など、建設業の働き方改革に向けた取組を進めて来ました。また、建設業団体においても働き方改革4点セット(週休2日実現行動計画等)の策定など業界を挙げた取組が進展しています。国土交通省では、この流れを止めることなく更に加速させるため、長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野で新たな施策を展開するべく「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。詳しい内容は下記になります。

(1)長時間労働の是正に関する取組
[1]週休2日制の導入を後押しする
公共工事における週休2日工事を大幅に拡大するとともに、週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上するため、労務費等の補正の導入、共通仮設費、現場管理費の補正率の見直しを行います。
[2]各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する
長時間労働とならない適正な工期設定を推進するため、各発注工事の実情を踏まえて「適正な工期設定等のためのガイドライン」を改訂します。

(2)給与・社会保険に関する取組
[1]技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する
技能者の資格や現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する建設キャリアアップシステムの今秋の稼働と、概ね5年での全ての建設技能者(約330万人)の加入を推進します。
また、技能・経験にふさわしい処遇(給与)が実現するよう、建設技能者の能力評価制度を策定します。
更に、能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者に対する公共工事での評価や当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力等の見える化を検討します。
[2]社会保険への加入を建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする
社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築します。

(3)生産性向上に関する取組
[1]生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする
中小の建設企業による積極的なICT活用を促すため、公共工事の積算基準等を改善します。
[2]仕事を効率化する
工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事における関係する基準類を改定するとともに、IoTや新技術の導入等により、施工品質の向上と省力化を図ります。
[3]限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する
現場技術者の将来的な減少を見据え、技術者配置要件の合理化を検討します。


【4】編集後記 ~エコ次郎の小ネタ横町~

皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。遂に全国すべての地域で梅雨が明け、猛暑日が続いております。日々の体調管理もなかなか難しく、改めて熱中症はすぐ隣り合わせなのだと実感しています。

さて、今日もちょっとしたエコネタのご紹介です。今までにこのコーナーで「汚れた油からSAFを作って飛行機を飛ばす」とか「遺体から堆肥を作って草花を育てる」など、再生利用のネタをいくつかご紹介しました。今回はその手の話題です。

私の母はいくつになってもニオイに敏感で、逆に父は昔から異様に鈍感なタイプ。父は臭いに限らず、基本的に全てにおいて異様に鈍感なので、例えば自分の手にソースやケチャップなどが付着してしまっても気付かず、そのまま他の場所を触って汚してしまうことは日常茶飯事です。それ故身の回りが常に汚れているので母はイライラしていて、近年はそこに“下の問題”もプラスされ、「公衆トイレに住んでるみたいだ」と所謂“介護臭”に怒り心頭なのです。最初は文句ばかり言う母を面倒に感じましたが、徐々に介護臭が私の鼻にもツンと刺さるようになりまして、『俺が臭いって言うのか!?』とキレる父が老害にしか見えなくなりました。これは何とかせねば....

何か良い消臭剤は無いかと探していて知ったのが『きえ~る』。たまたまSDGs関係のサイトを読んでいて見つけたのですが、この消臭液はなんと原料が『牛の尿』。北海道北見市の酪農家さんたちが牛の尿の処理に困っていたのが発端で、ある酪農家さんが牛の尿を乳酸菌で分解したら、何故か尿特有のアンモニア臭が全くしなくて、生ゴミやペットの糞尿・排水溝などあらゆる悪臭を消し去ったそうです。これはスゴイ!牛の尿に、牛の尿由来の『きえ~る』を吹き掛けても臭いがきえ~るのかな?なんて思いながらラインナップを見てみますと、ちゃんと「きえ~る 介護用」が売っておりました。
きえ~るに期待を寄せた理由は、「不思議と柔軟剤や部屋の香りは残したまま、悪臭だけが消えていきます」と書かれていたこと。有名消臭剤はアンモニア臭や汗臭さが何となく薄っすら残る感じがしていたので、これは是非使ってみたいですね。ついでに私も妻から「臭い」とたまに言葉で言われたり、目で言われたり、空気で言われたりで、若干の焦りを感じていますので、実家用に「介護用」を、我が家用に「室内用」をポチッとしました。まだ届いていませんが、原材料のアンモニアにアンモニア臭の消臭を期待するオモシロさにワクワクしています。届いたらすぐに臭いが気になるあらゆるものにシュシュッとしてみようと思っていますので、来月は皆さまに使用感や効果をお伝えできたらと思います。この記事を書いた私の記憶がきえ~ない事を信じて...


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