本日のお題 【介護施設・老人ホームの種類】 |
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エコ次郎先生、うちの最近に認知症で毎日何度もゴミ集積所に様子を見に来ては「今日はもう収集車来たのね」って大きな独り言を言って、その後必ず大きな声で歌を歌いながら帰って行くおばあちゃんが居るんですけど、そう言えばここ1ヶ月くらい見掛けないなーって気付いて。毎日見てたから急に来なくなっちゃうとすごく気になっちゃって。行方不明になってないと良いのだけど...。
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エコ娘くんは近所のお年寄りを気に掛けていて偉いですね。超高齢化社会でも、近所にエコ娘くんのような若者が居てくれたら地域の方々はきっと心強いことでしょう。
そのおばあさんですが、お元気な頃にゴミ集積所を巡って何か強いインパクトがあって、ずっと気にしていたのでしょうね。元気な時に気がかりだった事は認知症になってもずっと残る方もいらっしゃると聞きますので。
パッタリと見掛けなくなったのであれば、グループホームなどの施設に入所された可能性がありますよ。
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グループホーム?それって老人ホームとは違うんですか?
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グループホームも老人ホームの1つなんですよ。老人ホームには種類がいくつかありまして、中でもグループホームは認知症の方向けの施設で、1ユニット5~9名の少人数で共同生活をします。専門の介護スタッフが常駐していて、できることはスタッフの方と一緒にやりながら生活できるので、例えば料理が得意な方はご飯作りを手伝ったり、家庭菜園が趣味だった方がいらっしゃれば一緒に野菜を育てたりと、それぞれの得意分野を生かせる点がグループホームの魅力です。もちろん排泄介助や入浴介助、食事介助などの身体介護のサービスも提供して貰えますが、基本的な考え方としてはスタッフが積極的なサポートを行うのではなく、スタッフが補助しながら自分たちで行う、謂わば『自発性を尊重してくれる施設』です。
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へ~ぇ!そういう施設があるなんて知りませんでした!近所のおばあちゃんもそういう所で楽しく過ごせていたらいいなぁ。
先生、グループホームは認知症なら誰でも入所できるんですか?
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そうですね。認知症の診断を受けている65歳以上の要支援2・要介護1~5の方と、65歳未満の同じく要支援2・要介護1~5で、若年性認知症か初老期認知症と診断された方であれば対象となります。入れる施設は住民票のある市区町村の施設と決まりがありますので、住み慣れた街を離れなくて済むことも入所時の安心点でもありますね。
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そうなんだ。今まで気付かなかっただけで、きっとうちの近所にもあるんだろうな、グループホーム。認知症になるとやっぱり家族が家で面倒を見るのは限界があると思うので、近くのそういう施設で安全に暮らして貰えたら、家族も安心できて良いですね!
先生、せっかくなので他の老人ホームについても教えて下さい!あ、特養って呼ばれているところが結構近所にあるんですけど、それも老人ホームの種類ですよね?
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はい、特養は特別養護老人ホームの略称で、原則として要介護3以上の高齢者が対象です。中~重度の介護を必要とする高齢者が自宅で介護を受けられない場合に、適切な介護を受けながら生活を送るための施設なので、主な目的は『高齢者の“介護”』です。食事や入浴・排泄介助など日常生活に必要な介護が受けられるだけではなく、機能訓練や健康管理、療養上必要なお世話なども受けることができるのも特徴です。
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へぇ!至れり尽くせりなんですね!でも言い換えれば、それだけ人の手を借りないと生活することが難しいっていう事だから、家で家族がそれだけのことを担うのはやっぱり厳しいと思うし、プロに任せられるんだったらお願いしたいって願う家族も多いんでしょうね。親戚でも要介護3のおばちゃんがいるけど、家族は疲弊してるもん...
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もちろん、どんな状態になろうとも家で面倒を見たい!と希望される家族もいらっしゃいますが、徐々に手が離れて行く子育てと違って、介護は徐々に手が掛かるようになって行きますし、ゴールが「命が尽きるまで」なので終わりが見えないですし、お年寄りと言えど大人ですから体も重たいので、面倒を見ている側の身体的負担も大きいです。老人ホームに入れるのは後ろめたい事だと考えられていた時代もありましたが、今は本人に見合った環境で安全に暮らせる事が重要視されていますので、まずはご家族の負担を最優先に考えて、状況に応じて特養への入所も検討されて良いと思います。
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私も同感です。介護疲れが原因の無理心中とか殺人とか、悲しいニュースは聞きたくないですもん。。
先生、もう少し軽めの要介護1とか2でも入れる施設もあるんですか?あと、特養って何となく入院病棟みたいに大部屋に何人も居るイメージなんですけど、個室の施設とかもあるんですか?
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民間施設の住宅型有料老人ホームは原則個室なので、ゆっくりのんびり独りで過ごせる自分の部屋で暮らせる点が人気で、今老人ホームの3分の1が住宅型有料老人ホームなんですよ。自立した方や要介護度の低い方でも入居できるので、「家族に一切迷惑はかけたくないから」と介護度の低いうちに自ら入所される方もいらっしゃって、割とポジティブなイメージがあるかと思います。食事の提供や掃除・洗濯・買い物代行などの生活支援サービスも受けられ、レクリエーションやイベントなどのアクティビティも豊富。特養と違って介護サービスは提供されませんが、ケアマネージャーのいる居宅介護支援事業所を併設していることが多く、必要に応じて訪問介護をスムーズに利用することもできますので、介護度が上がって来ても安心です。
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そっか、老人ホームだけど住宅型だから“自分の部屋”なのか!みんなで楽しむ時間もあるけど自分の時間も大切にできるって、なんか高齢者用のシェアハウスみたいで楽しそう♪私も将来施設に入ることになったら住宅型がいいな!
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実は私も密かにそう思っています。
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エコ次郎先生もですか!気が合いますね(笑)
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随分前になりますが、ここでサービス付き高齢者向け住宅(通称サ高住)をご紹介したことがあります。サ高住も老人ホームの1つで、住宅型有料老人ホームが終身利用権を得る「利用権方式」の契約に対し、サ高住は一般的な賃貸住宅と同じ「賃貸借契約」です。バリアフリー設計の住宅で手すりやスロープが設置されているので、転倒や転落のリスクも軽減できるようになっていますが、基本は自立した方を対象としているため、利用者の部屋を定期的に見回る「安否確認サービス」と、ケアの専門家が日常生活における相談に乗ってくれる「生活相談サービス」の提供のみが義務付けられていて、特養や介護付き有料老人ホーム(住宅型以外)のように手厚い介護サービスは受けられません。食事の提供など各種サービスも選択的に契約するという形です。
元気なうちはサ高住での自由で自立した生活が魅力的だと感じます。が、これは私の個人的な見解ですが、私の周りの高齢者を見ていると、元気だった頃はそんなに人と接することが得意ではなくて、どちらかと言うと独りを好むタイプだった人でも、年を重ねる毎に話すことが好きになったり、構って欲しい(寂しい)という気持ちが強くなる方が多いような気がするのです。その姿を見ていると、将来きっと自分もああなるんだろうと想像ができ、他者との交流がマメにセッティングされる住宅型有料老人ホームの方がなるべく寂しい思いはしなくて済みそうな気がするので、私は住宅型有料老人ホームの方が自分には合っているかな?と考えています。
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なるほどぉ。エコ次郎先生から「寂しい」っていう言葉が出て来るなんて意外だな。私も将来はエコ次郎先生のこれからを良く観察し続けて参考にしよ~っ!笑
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男とは弱いものです。ぜひこれからの私の老いを将来のご参考の一つにして頂けたら幸いです。
今日はいくつか老人ホームをご紹介して来ましたが、施設にはまだ種類がありますので、次の項目ではそれぞれの施設の入所条件や、気になる費用についてご説明させて頂きますね。
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まだあるんですね!せっかくなら色々まとめて勉強したいので、いつものように分かり易くお願いしま~す!
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