本日のお題 【インボイス制度】 |
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エコ次郎先生、最近テレビで「インボイス」っていう言葉良く聞くようになったなって思っていたんですけど、インボイスって何ですか?税金に関する事なんだなーっていうくらいは分かってるんですけどね。
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エコ娘くんはいつも世の中の事にアンテナを張り巡らせていて偉いですね。インボイスにまでご興味があったとは驚きです。
インボイスとは適用税率や税額などの一定の事項が記載された請求書や請求書に類する書類のことで、「インボイス制度」とは複数税率に対応するものとして開始される仕入税額控除の方式を言います。インボイス制度に対応する請求書等を適格請求書と言い、適格請求書に基づき消費税の仕入税額控除を計算し、証拠資料として保存することを「適格請求書等保存方式」と呼びます。
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むっ.....ムズカシスギル.......撃沈です。。。
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大人でも一回で理解することは難しい内容ですので、高校生であるエコ娘くんは全く落ち込む必要はありませんよ!
では気を取り直して、現在日本での消費税率は何%ですか?お答え下さい。
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えっと、殆どのものが10%で、食べものは持ち帰れば8%です。
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そうですね。8%に当たる「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」が軽減税率対象商品となっていますね。2019年9月まで採用されていた「請求書保存方式」での請求書には
・請求書発行者の氏名または名称
・取引年月日
・取引内容
・取引金額
・請求書受領者の氏名または名称
の5項目の記載が義務付けられていましたが、2019年10月からの区分記載請求書等保存方式では上記5項目に加えて
・軽減税率の対象である旨の表記(※マークなどの目印)
・税率ごとに区分して合計した税込対価の額
が足されました。この時点で既に軽減率の記載はされているのですが、今回導入される適格請求書等保存方式では
・税率ごとに区分した消費税額等
・請求書発行者の登録番号
が追加となり、更に詳しく消費税の記載が求められるようになります。例えば、消費税が10%の商品A(10,000円)と、軽減税率対象の商品B(10,000円)の請求書を提出する場合、現行では
10%対象 11,000円
8%対象 10,800円
と記載していますが、適格請求書には
10%対象 10,000円 (消費税1,000円)
8%対象 10,000円 (消費税 800円)
と、より細かく記載する事になります。
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何だか経理の方の負担が増えそうですね。これって会社の大きさに関わらず全ての会社がやらなくちゃならないんですか?
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厳密に言うと“全て”ではありませんが、事実上はほぼ全ての企業・個人事業主が対象になります。先ほど適格請求書に追加される項目に請求書発行者の登録番号というものがありましたが、この登録番号というのが税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、「適格請求書発行事業者」となった課税事業者にのみ割り当てられる番号で、適格請求書発行事業者にならないとインボイスの発行はできません。インボイスが発行できない事業者とは取引を停止するしかないとお考えの事業者も多いので、適格請求書発行事業者にならないとこの先事業を続けて行くことは困難になりそうなのです。
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それってつまり廃業ってコトですか!?何でインボイスが発行できないと廃業しなくちゃならないんですか!?
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それは複数税率に対応するものとして開始される仕入税額控除の方式に答えがあります。
例えば、エコ娘社(適格請求書発行事業者)が、商品Aを同じく適格請求書発行事業者であるエコ次郎社から100,000円(税+10,000円)で仕入れ、消費者に200,000円で売って消費税込み220,000円受け取ったとします。この時エコ娘社は消費者から受け取った消費税20,000円から、仕入れの際にエコ次郎社に支払った消費税10,000円を引いた額、つまり
20,000円-10,000円=10,000円
を税務署に納めれば良い事になります。
しかし、もしエコ次郎社が適格請求書発行事業者ではないとインボイスの発行が出来ませんので、エコ娘社はエコ次郎社に支払った消費税10,000円を引く、つまり仕入税額控除することが出来ないので、消費者から受け取った20,000円を丸々納税する事になります。それではエコ娘社の負担は増えてしまいますよね。そうなったら今後エコ娘社はどうすると思いますか?
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ん~、エコ次郎社とは取引をしなくなるのかな...?
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その通りです。もしくは取引は継続するとなると、控除できない分の値引きをお願いしますよね。どちらにしてもエコ次郎社は取引先や売上が激減してしまうので、結局は適格請求書発行事業者にならざるを得ないのです。
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な~るほど!ようやく理解できました。あ、でも先生、今ってその仕入税額控除って言うのは適用されていないんですか?もしされていないんだったら、インボイス制度が始まった方が逆に得すると思うんですけど。
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もちろん現行の制度でも適用されていますよ。
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そうなんだ、それなら今の請求書にちょっと書き足せばインボイスになるんだから、実際はあんまり変わり無さそうですね!
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いえいえいえいえ、現在仕入税額控除を受けられている事業者は【課税事業者】なので、確かにインボイス制度になっても納税額が激増してしまう訳ではありませんが、年間の課税売上高(消費税の課税対象となる取引)が年間1,000万円以下の法人・個人事業主は現在は【免税事業者】なので、今後インボイス制度に合わせて適格請求書発行事業者になった場合は収入に大きく影響が出るのです。
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免税事業者?そういうのがあるんですね。
先生、話の腰を折って大変申し訳ないんですけど、私の頭が段々追い付かなくなって来て限界が近付いて来たので、免税事業者にはどういう影響があるのか?とか、インボイスが導入されたら適格請求書発行事業者がしなくちゃならない事とか、次の項目でゆっくり説明して貰えませんか?やっぱり高校生の私には難し過ぎて付いて行くのがやっとです...(◎_◎;)
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そうでしたか!それは気付かずに大変失礼いたしました!でも「適格請求書発行事業者」をすぐに覚えてしまったところを見ると十分に凄いですよ。
それではエコ娘くんは少しリラックスしていて下さいね。あとは私が1人で頑張ります。
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ホッ。よろしくお願いしま~す。
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