東雲研修センター ニュースレター No.44
いつも東雲研修センター及び公式HPをご利用頂きましてありがとうございます。

最近「インボイス」という言葉を良く耳にするようになりました。税金に関する制度変更という事はザックリ分かってはいますが、どういう仕組みなのか?や、インボイス制度が始まると企業や個人事業主にとってどんなメリット・デメリットが生じるのか?など詳しいことは良く分からない、と言った方も多いのではないのかと思います。今年10月から始まるインボイス制度について、ギリギリになって慌てないよう今回一緒に学んで行きたいと思います。

橋本総業株式会社
東雲研修センター事務局


INDEX
【1】研修情報‥‥東雲研修センター 定期研修情報
【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座‥‥【インボイス制度】
【3】免税事業者への影響と適格請求書発行事業者に課せられる義務
【4】編集後記‥‥エコ次郎の小ネタ横町
 
【1】東雲研修センター 定期研修情報
◎東雲研修センターは感染予防対策徹底中!!
東雲での研修は、実習を伴うことから濃厚接触の可能性があります。
感染防止には万全の体制で臨んでおります。詳しくはHPをご覧下さい。

東雲研修センターの定期研修は、直接のお客様だけでなく、メーカー様や関係団体、橋本総業(株)と多少でも関係のある方々でしたらどなたでも受講できます。
現在東雲研修センターで募集している研修のご案内です。特徴は、座学だけでなく研修によって現調、試運転、設置、組立などの実習が含まれていて、ホームページから申し込みが出来ます。是非ご検討下さい。



【現在空きのある受講生募集中の研修一覧 (2023年3月まで) 】
2月7日(火)キッチン現調・施工研修10:00~16:006,000円数名可事務局相談
2月21日(火)便器・WL設置研修10:00~15:008,000円15名
3月2日(木)エアコン施工研修10:00~17:0012,000円10名
3月16日(木)パッケージエアコン施工研修10:00~17:0015,000円8名

* 今年度より一部の受講料が部材価格の影響から改定させていただきます。ご了承願います。

お申し込みは こちらから

◎東雲で開講の研修は昼食をご用意しています。
◎受講料は税込です


【2】エコ次郎先生とエコ娘のなるほど講座
本日のお題 【インボイス制度】
エコ娘 エコ次郎先生、最近テレビで「インボイスっていう言葉良く聞くようになったなって思っていたんですけど、インボイスって何ですか?税金に関する事なんだなーっていうくらいは分かってるんですけどね。
エコ次郎 エコ娘くんはいつも世の中の事にアンテナを張り巡らせていて偉いですね。インボイスにまでご興味があったとは驚きです。
インボイスとは適用税率や税額などの一定の事項が記載された請求書や請求書に類する書類のことで、「インボイス制度」とは複数税率に対応するものとして開始される仕入税額控除の方式を言います。インボイス制度に対応する請求書等を適格請求書と言い、適格請求書に基づき消費税の仕入税額控除を計算し、証拠資料として保存することを「適格請求書等保存方式と呼びます。
エコ娘 むっ.....ムズカシスギル.......撃沈です。。。
エコ次郎 大人でも一回で理解することは難しい内容ですので、高校生であるエコ娘くんは全く落ち込む必要はありませんよ!
では気を取り直して、現在日本での消費税率は何%ですか?お答え下さい。
エコ娘 えっと、殆どのものが10%で、食べものは持ち帰れば8%です。
エコ次郎 そうですね。8%に当たる「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」が軽減税率対象商品となっていますね。2019年9月まで採用されていた「請求書保存方式」での請求書には
・請求書発行者の氏名または名称
・取引年月日
・取引内容
・取引金額
・請求書受領者の氏名または名称
の5項目の記載が義務付けられていましたが、2019年10月からの区分記載請求書等保存方式では上記5項目に加えて
・軽減税率の対象である旨の表記(※マークなどの目印)
・税率ごとに区分して合計した税込対価の額
が足されました。この時点で既に軽減率の記載はされているのですが、今回導入される適格請求書等保存方式では
・税率ごとに区分した消費税額等
・請求書発行者の登録番号
が追加となり、更に詳しく消費税の記載が求められるようになります。例えば、消費税が10%の商品A(10,000円)と、軽減税率対象の商品B(10,000円)の請求書を提出する場合、現行では
10%対象 11,000円
8%対象 10,800円
と記載していますが、適格請求書には
10%対象 10,000円 (消費税1,000円)
8%対象 10,000円 (消費税 800円)
と、より細かく記載する事になります。
エコ娘 何だか経理の方の負担が増えそうですね。これって会社の大きさに関わらず全ての会社がやらなくちゃならないんですか?
エコ次郎 厳密に言うと“全て”ではありませんが、事実上はほぼ全ての企業・個人事業主が対象になります。先ほど適格請求書に追加される項目に請求書発行者の登録番号というものがありましたが、この登録番号というのが税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、「適格請求書発行事業者」となった課税事業者にのみ割り当てられる番号で、適格請求書発行事業者にならないとインボイスの発行はできませんインボイスが発行できない事業者とは取引を停止するしかないとお考えの事業者も多いので、適格請求書発行事業者にならないとこの先事業を続けて行くことは困難になりそうなのです。
エコ娘 それってつまり廃業ってコトですか!?何でインボイスが発行できないと廃業しなくちゃならないんですか!?
エコ次郎 それは複数税率に対応するものとして開始される仕入税額控除の方に答えがあります。
例えば、エコ娘社(適格請求書発行事業者)が、商品Aを同じく適格請求書発行事業者であるエコ次郎社から100,000円(税+10,000円)で仕入れ、消費者に200,000円で売って消費税込み220,000円受け取ったとします。この時エコ娘社は消費者から受け取った消費税20,000円から、仕入れの際にエコ次郎社に支払った消費税10,000円を引いた額、つまり 20,000円-10,000円=10,000円 を税務署に納めれば良い事になります。
しかし、もしエコ次郎社が適格請求書発行事業者ではないとインボイスの発行が出来ませんので、エコ娘社はエコ次郎社に支払った消費税10,000円を引く、つまり仕入税額控除することが出来ないので、消費者から受け取った20,000円を丸々納税する事になります。それではエコ娘社の負担は増えてしまいますよね。そうなったら今後エコ娘社はどうすると思いますか?
エコ娘 ん~、エコ次郎社とは取引をしなくなるのかな...?
エコ次郎 その通りです。もしくは取引は継続するとなると、控除できない分の値引きをお願いしますよね。どちらにしてもエコ次郎社は取引先や売上が激減してしまうので、結局は適格請求書発行事業者にならざるを得ないのです。
エコ娘 な~るほど!ようやく理解できました。あ、でも先生、今ってその仕入税額控除って言うのは適用されていないんですか?もしされていないんだったら、インボイス制度が始まった方が逆に得すると思うんですけど。
エコ次郎 もちろん現行の制度でも適用されていますよ。
エコ娘 そうなんだ、それなら今の請求書にちょっと書き足せばインボイスになるんだから、実際はあんまり変わり無さそうですね!
エコ次郎 いえいえいえいえ、現在仕入税額控除を受けられている事業者は【課税事業者】なので、確かにインボイス制度になっても納税額が激増してしまう訳ではありませんが、年間の課税売上高(消費税の課税対象となる取引)が年間1,000万円以下の法人・個人事業主は現在は【免税事業】なので、今後インボイス制度に合わせて適格請求書発行事業者になった場合は収入に大きく影響が出るのです。
エコ娘 免税事業者?そういうのがあるんですね。
先生、話の腰を折って大変申し訳ないんですけど、私の頭が段々追い付かなくなって来て限界が近付いて来たので、免税事業者にはどういう影響があるのか?とか、インボイスが導入されたら適格請求書発行事業者がしなくちゃならない事とか、次の項目でゆっくり説明して貰えませんか?やっぱり高校生の私には難し過ぎて付いて行くのがやっとです...(◎_◎;)
エコ次郎 そうでしたか!それは気付かずに大変失礼いたしました!でも「適格請求書発行事業者」をすぐに覚えてしまったところを見ると十分に凄いですよ。
それではエコ娘くんは少しリラックスしていて下さいね。あとは私が1人で頑張ります。
エコ娘 ホッ。よろしくお願いしま~す。


【3】免税事業者への影響と適格請求書発行事業者に課せられる義務

免税事業者とは、消費税の課税期間に係る基準期間(個人事業主の場合:前々年、法人の場合:原則として前々事業年度)において、課税売上高が1,000万円に満たない事業者のことを指し、小規模事業者や個人事業主が該当します。免税事業者は、消費税の納付が免除されています。しかしインボイス制度の導入で適格請求書発行事業者になると納税義務が発生するため、消費税を納税しなければなりません。となると、実質収入源という事になります。
※免税事業者の制度は、売り上げが比較的小さい事業者については納税すべき消費税額の計算の煩雑さを考慮して、納税義務を免除(益税)するというものです。免税が受けられる代わりに、もし仕入れで支払った消費税が上回っていても消費税の還付は受けられません。一部では「益税は脱税をしているだけ」などと辛辣な批判も見受けられますが、所得税も住民税も収入によって免税対象者になりますので、免税事業者の制度に対しても同じく収入に見合った優遇措置と言えます。


では次に、適格請求書発行事業者になった場合、適格請求書発行事業者になった全ての事業者にどのような負担が増えるか?を解説していきます。

[1]適格請求書の交付義務
取引の相手方(課税事業者)の求めに応じて、適格請求書類を交付する義務が生じます。但し、3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送や、3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます。

[2]適格返還請求書の交付義務
売上げに係る対価の返還等を行った場合に、適格返還請求書を交付する義務が生じます。インボイス制度導入後、売り手・買い手ともに適格返還請求書が必要となるケースも出てくると考えられます。記載要件の確認や、適格請求書とまとめて発行できる場合と記載例を事前に把握しフォーマットを用意するなど、インボイス制度導入に向けて備えておきましょう。

[3]修正した適格請求書の交付義務
交付した適格請求書類に誤りがあった場合に、修正した適格請求書類を交付する義務が生じます。区分記載請求書とは異なり、交付を受けた事業者が自ら追記や修正を行うことはできません。

[4]写しの保存義務
交付した適格請求書類の写しを保存する義務です。現在保存しておく義務があるのは「取引先から受取った請求書」ですが、インボイス制度が始まると自らが発行したインボイス(つまりは請求書等)の控えを保存しておく必要があります。現在は書面での保存も可能ですが、2024年1月から電子帳簿保存法改正で電子データで授受した取引情報の書面保存が廃止され、電子データでの保存が必須になりますので、今のうちに対応しておくことをお勧めします。

この他にも、まずインボイス制度が始まる前の準備として、取引先が免税事業者か課税事業者か?を確認しなくてはなりません。もし免税事業者の場合「将来的に取引先が適格請求書発行事業者として登録する意思があるのか否か」の確認も必要になり、仮に免税事業者のままであれば「消費税分の取り扱いをそのままにしておくのか、消費税を差し引いた金額に修正するのか、この際取引終了にするのか」といった擦り合わせる手間も発生します。
そして、インボイス制度の導入で課税仕入の税額について計算する方法が変更となりますが、請求書の確認等により業務が煩雑化する恐れもあるため、事前に税額の計算方法を社内で周知徹底しておく必要があります。また、自社の適格請求書のフォーマットを新たに作成し、すべての取引がインボイスに則って進められるように社内で整備しておく作業も忘れてはなりません。

このようにインボイス制度導入にはかなり準備に時間を要します。取引額や取引先が多ければ多い程やっておくべき事柄は増えますので、「10月からだからまだ大丈夫!」と先送りにしておかず、今からしっかりと対策に取り掛かりましょう。



【4】編集後記 ~エコ次郎の小ネタ横町~

皆さま、こんにちは。エコ次郎でございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(去年10月の小ネタ横丁に続く)
先日遂にショールームに床暖房を見に行ってしまいました。友人宅であの温かさを知ってしまってからと言うもの、より一層我が家の床の冷たさが際立って感じてしまい、もうエアコンや石油ヒーター&こたつを駆使しても底冷えには対抗できないと悟りました。いくら使ってもリビングダイニングが快適な温度になる事は無く、頻繁に灯油を買いに行ったり給油する手間も面倒ですし、何より寒過ぎて石油ヒーターの吹出し口の前に座り込む妻と愛犬の姿に胸が痛くなりました。

ショールームでは最新の薄型床暖房パネルをご紹介いただき、模型でその薄さを確認しました。床材分離型の床暖房パネルは今現在一番薄いものが6mmだそうです。現在の床を剥がさずにその上に設置する場合は、パネルと床材の厚みがあればある程今より床が高くなるので、薄いのはありがたいですね。しかし、床材で少々残念なことを知りました。通常の床材は12mmで、あるメーカーの床暖房対応のもので極薄6mmというものがあったので「これだ!」と喜んだのですが、その床材ですと対応していない機能がありまして。我が家の愛犬は小型犬の12歳で、最近老化で後ろ足が滑って良く転ぶようになったので、ペットが滑りにくい機能があるものにしたいのです。まだまだ元気に長生きして貰いたいですし、これからもっと衰えて行くと更に滑るようになって、足にも腰にも股関節にも悪影響が出てしまわないかと心配です。そういう訳で6mmは対象外となりました。今のところ何処のメーカーでもペットの滑りに配慮&床暖房対応の薄型は販売されていないという事で、12mmのものにしようと思います。これによって現在より床の高さは18mm 上がる事になります。リビングも廊下もトイレも洗面所もバリアフリーなので、何処まで段差を付けずにリフォームできるかが気になるところですが、信頼できる工事店さんにお願いできるそうなので心配不要。今は快適な我が家を想像するのが楽しくて仕方がありません。

現調もこれからですので施工はまだ先になりますが、無事に温かい我が家を手に入れましたら、またこの場を借りてご報告させて頂きたいと思います。ぜひ楽しみにお待ち下さい。



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