本日のお題 【ヒートポンプ】 |
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エコ次郎先生、前に電気代が値上がりしている原因について教えて頂いたじゃないですか。あの時からずっと電気代って右肩上がりだからさすがに両親が心配していて、「ヒートポンプにした方が良いのかなぁ」とか言っているんです。けど、そもそもなんですけどヒートポンプって何ですか!? 最近次から次へと色んな名前が出て来るから勉強が追いつかなくて...(>_<)
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エコ娘くんはヒートポンプについても知りたいなんて、勉強家ですね!今日も一緒に知識を深めて行きましょう。
エアコンや湯沸かし器などの「温度を調整する」仕組みは、私たちの快適な生活には欠かせません。しかしこれらは電気やガスなどのエネルギーを消費するので、排出されるCO2が大きな問題になっています。そこで近年注目されている技術が、熱力学の法則を利用して空気から熱を取り出す「ヒートポンプ」です。エコ娘くんは、CO2は地球にどのような影響を及ぼしているのか覚えていらっしゃいますか?
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もちろんです!二酸化炭素は温室効果ガスだから、地球温暖化が引き起こされています!
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その通りですね!一度お勉強したことをしっかり復習までしているようで、感無量でございます。
まず、液体や気体には「圧力を高くすれば温度が上がり、圧力を下げれば温度が下がる」という性質があります。例えば、ボールに空気を目一杯入れて膨らましたとします。すると空気は圧縮されて分子が動き回れる空間が狭くなってしまうので、外に反発する力が強くなります。なのでボールはパンパンに張りますし、空気を抜く時、一気にシューと抜けますよね。
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言われてみると当たり前なんですけど、空気って圧縮されていたんですね!だから勢いよく抜けるのね!
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そうです。そして空気が圧縮された時、反発が強くなるだけでなく温度も上がっているのです。このような液体や気体の性質を利用して、熱を伝える媒体となる「冷媒」の温度を調整し、冷媒に接する空気や水の温度を変えるものが『ヒートポンプ』です。ヒートポンプと言えば『エコキュート』と言う給湯器が代表的なので、ここではエコキュートの仕組みについて解説しますね。
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ん~難しい!けど『エコキュート』は聞いたことあるし、給湯器って思ったら私でも理解できそうな気がする!先生、いつも通り分かり易くお願いします!
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はい、お任せ下さい!
まずエコキュートの仕組みですが、エコキュート内には冷媒(CO2)が常に循環していて、冷媒は外の空気から熱を取り込む『空気熱交換器』→取り込んだ熱を高温にする『圧縮機』→高温になった冷媒が、貯湯ユニットから流れて来た水(管内)に熱を移動させる『水熱交換器』→低温に戻す『膨張弁』の順で巡っています。
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う~ん、何となくですけど分かって来ました!CO2は空気だから、さっきのボールの例えみたいに圧縮してもっともっと熱くして、その熱を温めたい貯湯ユニットの水に放熱してお湯を作るっていうことですよね?
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おぉぉ!!何という理解力でしょう!最近エコ娘くんには私が必要無くなって来たように感じることもあって少々寂しいですが、本当に嬉しい成長でもあります。
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全然まだまだエコ次郎先生に居て貰わないと、1人で勉強なんてできませんよぉ!だって、ヒートポンプの仕組みは分かったけど、他の給湯器に比べて何で電気代が安くなるのか?については分からないもん。そこもしっかり教えて下さいね!
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そうでしたね。では、給湯器の種類別にお湯の沸かし方を見て行きましょう。
ガス給湯器は、水を流したパイプをバーナーで加熱することで、そこを通過する水の温度を上げてお湯にする仕組みです。簡単に言うと、ガスコンロを使ってヤカンでお湯を沸かすことと一緒ですね。お湯を沸かす間は常にガスが必要になります。
続いて北国を中心に広まっている石油給湯器。燃料となる灯油をタンクに貯めておき、その灯油を燃やすことで水をお湯に変える仕組みです。ガス給湯器との違いは、ガスを使うか石油を使うかの違いです。
最後は電気温水器です。積層沸き上げ方式と対流沸き上げ方式がありますが、両方とも電熱ヒーターを使ってタンク内の水を沸かす仕組みです。パワフルなガスや灯油などを使う給湯システムと比較するとどうしてもコスト面では負けてしまいますが、どの給湯器もお湯を沸かす際は常に燃料が必要となるので、ランニングコストが高くなるのです。
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なるほどぉ。お湯を使う時だけ燃料が必要って思うと大したことない気がするけど、それが結構な量になっちゃうからヒートポンプが注目されているってことか。先生、ではエコキュートはどうして電気代が安いんですか?
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それは、ヒートポンプで電気が必要な箇所は『圧縮機』のみだからです。他の給湯器は直接お湯を沸かすことにガスや電気を使いますが、ヒートポンプでは冷媒を圧縮して熱を移動させる為にしか使わないので、
使用する電気を生み出すために投入したエネルギー(電気) < 生み出されたエネルギー(熱)
となるのです。エコキュートの場合、生み出されたエネルギーは投入したエネルギーの実に3倍以上!しかもCO2排出量もゼロなので、ヒートポンプが如何に地球環境に優しいかがお分かり頂けるかと思います。
補足しますと、高効率ガス給湯器のエコジョーズは年間CO2排出量が約818kg、ランニングコストは都市ガスで約6万円、LPガスで約11万円です。高効率石油給湯器のエコフィールの年間CO2排出量が約1,363kg、ランニングコストは約4.6万円。一方エコキュートは先ほども説明しました通り年間CO2排出量がゼロ、ランニングコストも料金の安い深夜電力の時間に湯を沸かすので1.8万円ととても安価なのです。ランニングコストが安い分イニシャルコストは高めで、お湯切れの心配やシャワーの水圧が弱いなどのデメリットもありますので、購入を検討される際には後悔の無いように熟慮されると良いです。
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スゴイです、エコキュート!!二酸化炭素が排出されないなんて、それは検討する価値ありですね!早速両親に話してみなくちゃ!
あ、ちょっと質問なんですけど、給湯器以外にもヒートポンプって採用されているんですか?
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はい。今はヒートポンプ式の家電なども販売されていますので、そちらも是非ご検討頂けたらと思います。次の項目ではそれについて解説したいと思います。
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へ~ぇ、どんな商品があるのか楽しみ♪先生、よろしくお願いします!
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