本日のお題 【現場調査】 |
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エコ次郎先生、今の社会人って体を酷使してお仕事頑張っているんですね。私、将来社会人になってやって行く自信がありません(>_<)
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エコ娘くん、急にどうしたのですか?どなたかお知り合いにそのような方がいらっしゃるのですか?
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そうなんです。昨日友達の家に遊びに行ったんですけど、途中で友達のお兄ちゃんが帰って来て、お母さんが「お疲れ様、毎日大変そうね」って声掛けたら、お兄ちゃんが「今日幻聴だった。明日もまた幻聴なんだ。」って言ってたんです。幻聴が聞こえるほど疲れていて明日も幻聴が起きるって分かってるって...働くってそんなに大変なんだって不安になっちゃいました(ノД`)
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失礼ですが、そのお兄様のお仕事は?
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駅前の工務店ですけど?
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そうですか、それならば『幻聴』ではなく『現調』ですね!『現場調査(現地調査)』の略で、業界では『現調』と言っています。現調は、実際に現地に赴いて寸法や構造などを確認する事で、良くリフォームなどの際に一度施工会社の方が見に来ますよね、あれのことです。
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あ、そうなんだ!(笑)いやーおかしいと思ったんですよね、幻聴が予期できるって。なんだぁ現場調査ね、あははは!
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現調はリフォームの要と言っても過言ではなく、ここをしっかりしておかないと工事で不具合が生じてしまう事もありますし、場合によっては不具合の度合いが大きく、工事期間が大幅にずれ込んだり、施工費に追加料金が生じてしまう事もありますので、とても重要なのです。
修学旅行で例えると事前準備、スポーツで例えると準備運動、というとどれくらい重要なのかお分りいただけるかと思います。
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なるほど!その例えはすっごく分かり易いです!つい何日か前なんですけど、友達が準備運動をしないでダンスの練習をしていて、ジャンプして着地した瞬間に左足のアキレス腱を切っちゃったんです。何でも入念な下準備が重要っていうことなんですねー。リフォームもスポーツも一緒とは勉強になります。
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ヒィィィ!何という災難でしょう...まだお若いので、ご友人にはしっかり治療とリハビリに励んで頂いて、長い人生元気にスポーツが楽しめるようになって頂いて下さい。
話しは戻りますが、現調ではどんなことを調べると思いますか?ではキッチンのリフォームを例えに想像してみて下さい。
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難しいなぁ。ん~欲しいキッチンのセットが今のキッチンのスペースに収まるか?とかかなぁ。
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そうですね。今は対面キッチンが主流ですが、例えば40年くらい前に建てられた家ですとキッチンが1つの部屋のようになった独立キッチンが多かったので、そう言った形から対面キッチン(オープンキッチン)へのリフォームでしたり、空間は同じだけどシンクの大きさや幅、コンロの位置変更など、レイアウトに大幅な変更がある場合は、特にサイズ確認は重要ですね。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに替えたい場合はどうでしょう?何を確認しましょうか?
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えっと、IHは電気だから・・・配線?
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正解です!200VのIHクッキングヒーターを使うためには「単相3線式配線」で給電されている必要がありますが、現状が「単相2線式配線」の場合は切替工事が必要になりますし、分電盤に200VのIHクッキングヒーター専用回路を設置するのですが、空きが無い場合は回路増設、または分電盤の回路数が多いものに取り替える必要もあります。また、ガス配管の撤去工事も必須ですので、IH1つ設置するだけでも確認事項はたくさんあるのです。
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そんなに大変だなんて全然知らなかったです。ガスを止める工事なんて全く思い付かなかったし。
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そうですよね、日頃見えない箇所のことに考えが及ばないのは当然です。私もこの業界に居なければ、きっとガスは愚か電気のことでさえ考えが及ばなかっただろうと思います。
先ほどはキッチンのサイズの話しが出ましたが、それらを運び入れる時を想像してみて下さい。運搬トラックから家の中までスムーズに運ぶためには事前にどんなところを確認しておくと良いでしょうか?
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そっか、キッチンはある程度形になって運ばれて来るんですね!ん~そうだなぁ、玄関から入れるか、庭に面した大きな窓から入れるか?かなぁ。
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その通り!搬入経路の確認もしっかりしましょう。家のどこから運び入れるか?も重要ですし、まず搬入トラックが家のすぐ前まで入れるのか?マンション等の場合はエレベーターが使えるのか、外階段を使うのか?階段を使う場合は運べる最大サイズはどれくらいなのか?等も調べなければなりません。高さや幅に加え、上下の階段の対角線の長さを測るなど、採寸ポイントはたくさんあるのです。これは冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や、グランドピアノ等の楽器を購入した際も事前に打ち合わせがありますので、比較的想像がし易いかと思います。
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あ!そういえばうちも先月新しい冷蔵庫を買ったんですけど、届く前に一度配送業者の人が見に来てました!当日はクレーン車が来て、庭の垣根の上を越えて運び入れていました。あれも『現調』ですよね!
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はい、そうですね。都心に近くなるほど狭小地や旗竿地も多くなりますので、大きな工事でなく家電購入時でも現調を行うことは多いです。
キッチンのリフォームに関して、あとはお客様が新しいキッチンに望むことや、現状のキッチンでのお悩みなども細かくお聞きし、収納や色合い、素材等をしっかりアドバイス・ご提案できるようにします。
如何でしょうか?今回はキッチンリフォームを例にお話しさせて頂きましたが、現調の重要性がお分かり頂けたでしょうか?
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もちろんです!今まで「そんなの電話で確認するんじゃダメなの?」「家の見取り図を渡せば分かるんじゃないの?」なんて当たり前に思っちゃってたけど、実際に見に来て貰って、見える所も見えない所も細かく調べて貰わないと意味が無いって良く分りました。あと数年したらうちも水まわりのリフォームを考えているみたいだから、その時は現調に私も立ち会ってみよ~っ!
ところで先生、どこを調べて結果がどうだったか分からなくなったりしないんですかねぇ?あちこち測ったりしたら、数字がごちゃ混ぜになっちゃいそうな気がするんですけど、記録する良い方法ってあるんですか?
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良いところに気付きましたね。メーカー・工事店は現調で使用する『現場調査シート』というものを用意しておりまして、調査項目のチェック、見取り図、寸法、特記事項などを記載します。これがあれば、抜けがなく必要箇所を調査した事が結果とともに一目で分かりますので、必ず使用します。先ほども申し上げましたが、“現調はリフォームの要”ですので、細か過ぎるくらいに書き取っておく事が望ましいですね。現調の際にこのシートと共に使用するアイテムもありますので、次の項目でご紹介したいと思います。
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やっぱり便利なシートがあるんですね!現調って想像すると色んな発見がありそうで、何だか楽しそうだな~。アイテムも知りたいので、エコ次郎先生教えて下さい!
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はい、お任せ下さい!
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