本日のお題 【フロンガスによるオゾン層の破壊】 |
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エコ次郎先生、私のおばあちゃん家の近所の話しなんですけど、ずっと空き家だった古~い家があって、最近やっとそこが壊されることになったらしいんです。それで中に残っていた家電とかを運び出している所にたまたま通りかかった時に、TVでしか見た事ないようなすごーく古い冷蔵庫をトラックに積みながら「これはフロンだな」って作業をしているおじちゃん達が言っていたんですけど、フロンって何なんですか?エコ次郎先生わかります??
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それは「フロンガス」のことですね。フロンガスの代表的なものにクロロフルオロカーボン(CFC)がありまして、無色・無臭・不燃性で化学的に安定していて、かつ液化し易いという非常に優れた特性の為に、一昔前はエアコンや冷蔵庫の冷媒、精密部品の洗浄剤、断熱材の発泡剤などに使われていました。
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ふ~ん。一昔前っていうことは、今はもう使われてないんですか?そのクロロフル何とかっていうのは。
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そうですね。クロロフルオロカーボン(CFC)はオゾン層を破壊する物質である事が1970年代にわかった為に、地球環境への影響が懸念され、モントリオール議定書で1996年に生産の中止・全面廃止となりました。その後はCFCに比べてオゾン層の破壊程度が比較的小さいハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)というフロンガスが主流になりましたが、こちらも少ないとは言えどオゾン層を破壊する性質は有していたので、2019年末で生産全廃になっています。
CFCとHCFCは『特定フロン(オゾン層破壊物質)』ですが、その後この2つに代わるオゾン層を破壊しない『代替フロン』のハイドロフルオロカーボン(HFC)が主流になりました。しかしHFCにも問題が!HFCはオゾン層を破壊しない代わりに、地球温暖化を進める強力な温室効果ガスであることが分かり、二酸化炭素の放出量が大変多い為にこちらも削減が義務づけられています。ですが、家庭用冷蔵庫はすでに代替フロンからノンフロンの時代へと移って20年近く経っていますので、心配は不要です。これからも安心してお使い下さいね。
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ノンフロン時代!ふぅ~ん、なるほどぉ!ちゃんと地球に優しい冷蔵庫になっているんですね!私の理解力で分かったことは、とにかくフロンガスは今じゃ珍しいっていうことですね。だからおじちゃん達が反応していた訳かぁ!
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そうですね。業務用(冷凍)冷蔵庫には今も代替フロンが使われているので、厳密に言いますと『フロン仕様の家庭用冷蔵庫が珍しい』が正しいです。ちなみにフロン仕様の家庭用冷蔵庫は家電リサイクル法に基づいて処理されますが、フロン仕様の業務用冷蔵庫等に関しては『フロン排出抑制法』で細かく決められた方法に基づいて充填・回収→再生・破壊が行われるので、その違いも覚えておきましょう。
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そうなんだ、同じフロンでも家庭用と業務用って扱い方が違うんですね。なんか、紙オムツみたい(笑)家庭で捨てる時は普通の可燃ゴミだけど、施設だと一般廃棄物になる、みたいな。
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エコ娘くんは紙オムツの処理についてご存知なんですね。これは驚いた!
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家族を施設に入れた親戚がいて、最初に聞いていた基本料金より実際の請求額がかなり高くて、その中に「オムツの処理にお金取られてるー!」って嘆いていたんで知ってるんですよ~♪
ところで先生、フロンがオゾン層を破壊してしまう事は理解できたんですけど、どういう仕組みでそうなるんですか?そもそもオゾン層ってそう言えば何なんだろう??
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少し難しいですが、オゾンとは酸素原子3個からなる気体のことを言います。高度10~16kmから50kmまでの上空(ここを成層圏と言います)には大気中のオゾンの90%が集まっているところがあり、ここを「オゾン層」と呼んでいます。
本来は太陽からの紫外線をオゾン層が吸収し、常に分解や生成を繰り返しながら一定のバランス
を保っていますが、大気中で分解しにくい特徴のフロンが地上から放出されてオゾン層に達すると、そこで初めて紫外線によって分解されて、塩素原子が発生します。この塩素原子が触媒となってオゾンを分解してしまう為に分解・生成のバランスが崩れてしまって、オゾン層の破壊となるのです。
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ん~、難しい!
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そうですね、一度で全てを解ろうとは思わず、ゆっくりで良いので理解を深めて行って頂けたらと思います。
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はい!先生、オゾンの破壊を世界で食い止めようとしているっていう事は、そうしないと私たち人間に何らかの悪影響があるからなんですよねぇ?
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さすが!鋭いですね。仰る通りオゾン層の破壊によって、太陽からの有害な紫外線が地上の生き物に悪影響を及ぼしているので、次の項目ではそこに言及したいと思います。
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よろしくお願いします!
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